山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

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▼705号「暖地海岸の里山の花・ツワブキ」

・【概略】
ツワブキはツヤブキ。フキに似た葉に艶があるためついた名。暗い
里山を明るくしてくれるような黄色い目立つ美しい花。日本原産で、
花は舌状花と管状花からなっている。観賞用にもなっている。石蕗
の日陰は寒し猫の鼻 抱一。
・キク科ツワブキ属の常緑多年草

▼705号「暖地海岸の里山の花・ツワブキ」

【本文】
晩秋から初冬、里山に咲く花にツワブキがあります。ツワブキはツ
ヤブキだといいます。フキによく似た葉に艶があるためについた名
前だそうです。

ツワブキは葉がいつも青く、花の少ない冬に黄色の美しい花を咲か
せます。海岸のガケや低い里山の尾根を歩くとき木陰などでよく見
かけます。

また低山歩きでも、樹林の暗い里山を明るくしてくれるように黄色
い美しい花が目立ちます。ツワブキは日本原産だという。10月から
1月、高さ50〜80センチの太い花茎を出し、たくさんの頭花を円す
い花序に咲かせます。

舌状花と管状花からなっていて、花茎は4〜6センチ。大きな葉に
は組織細胞を引き締めるというタンニン、細菌の侵入を防ぎ、皮膚
の損傷部を保護するという葉緑素というものがあって、軽いやけど、
はれもの、うちみなどの民間療法に利用されています。

ツワブキはまた山菜としても料理されます。若い葉の茎をフキと同
じようにアクを抜いて、ゴマ和え、酢みそ和え、白和え、油みそ煮、
甘煮、つくだ煮、塩漬けに利用すると専門書に項目がならんでいま
す。

観賞用にもなっていて庭に植えられ、園芸品種もたくさんあります。
石蕗の日陰は寒し猫の鼻 抱一。
・キク科ツワブキ属の常緑多年草

▼【参考】
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)
・「世界の植物・1」(朝日新聞社)1975年(昭和50)
・「植物の世界・1」(朝日新聞社)1996年(平成8)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

 

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