とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼699号 「北ア白馬岳・怪人山之坊の万」

【概略】
父親の敵を討とうと猟師の息子は白馬岳に分け入った。静寂な深山。
父が殺された場所の食い合った杉の枝の間をねらって銃声一発。確
かな手応え。全身毛で包まれた大男が倒れていた。白馬岳の怪物と
いわれたが、その正体は依然謎のまま残ってしまった。

▼699号 「北ア白馬岳・怪人山之坊の万」

【本文】
かつて新潟側から白馬岳に登るには姫川温泉近くの山之坊集落から
入り、途中蓮華温泉に一泊したという。この集落には恐ろしい山男
「山之坊の万」の噂が絶えませんでした。

江戸時代中期のころ、ある猟師が怪物退治に鉄砲を担いで山に入り
ました。山深く、突如バサッという音。食い合った杉の枝の間から
大男が現れました。

猟師の打った弾は怪物からそれ、続いて第2の弾を放ちました。山
男はカラカラと笑い「生意気なまねをするな。お前の命は預かった」。
猟師は家に逃げ帰る途中で息絶えてしまったという。

猟師には14歳の息子がいました。ある日息子は父親の銃をもって白
馬岳へ道を登っていきました。かん高い鳥の声が響きます。やがて
あの杉の枝が食い合った場所にやってきました。

枝がバサッと動きました。息子は素早く銃を構え現れた影にねらい
をあわせ轟然一発。確かな手応え。全身毛に覆われた大男が倒れて
いました。

白馬岳に久しく住み獣を食べていた怪物といわれましたが、その正
体は永久に謎として残ってしまいました。

・白馬岳【データ】
【山名】しろうまだけ

【異名】
・大蓮華山(おおれんげやま)

【由来】
・苗代づくりの目安になる黒い馬の雪形が由来。苗かき代馬岳が代
馬(しろうま)になり白馬岳になった。山頂の山名案内板は、1916
年(大正5)に新田次郎の小説「強力伝」のモデルとなった強力た
ちが持ち上げたものとされている。

【名山】
・深田久弥選定「日本百名山」(第45番選定):日本二百名山、日
本三百名山にも含まれる。
・岩崎元郎選定「新日本百名山」(第54番選定)
・清水栄一選定「信州百名山」(第54番選定)
・田中澄江選定(1981年)「花の百名山」(第68番選定)
・田中澄江選定(1995年)「新・花の百名山」(第69 番選定)

【所在地】
・長野県北安曇郡白馬村と富山県下新川郡朝日町との境。大糸線白
馬駅の北西10キロ。JR大糸線白馬駅からバス、猿倉から大雪渓経
由6時間15分で白馬岳。一等三角点(標高2932.2m)と山名案内板
がある。地形図に山名と三角点記号と標高2932.2m文字と南側に石
碑の記載あり。三角点より南南西方向362mに白馬山荘がある。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【三角点】緯度経度:北緯36度45分30.71秒、東経137度45分30.77


【基準点閲覧】国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」から検索
・基準点(三角点):(基準点コード::TR1553716000)(点名:白
馬岳)(冠字選点番号:館 6)(種別等級:一等三角点)(基準点成
果状態:正常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 36°45′3
0.6402、経度 137°45′30.7761)(標高:2932.24m)(基準点現況
状態:露出 20081001)(所在地:長野県北安曇郡白馬村大字北城字
松川9461)(点の記図:閲覧可)

【地図】
・2万5千分の1地形図「白馬岳(富山)」。5万分の1地形図「富
山−白馬岳」

【山行】
・第3日目:1990年(平成2)8月3日(金・晴れ)北ア白馬岳探訪
探訪:1990年(平成2)8月1日(水)〜5日(日)「新宿駅・白馬駅・
栂池ヒュッテ・白馬大池・白馬岳・杓子岳・鑓温泉・猿倉・白馬駅
・新宿駅」:「白馬岳・鑓温泉」ヤマケイ白馬岳自然調査取材

【参考】
・「山の伝説」日本アルプス編(青木純二)丁未出版1930年(昭和
5)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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