山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼684号 「海老に似た根・その名もエビネ」

【概略】
海老の形に似た太く連なる根(偽球茎)が名前の由来。この根っこ
の連なりが増えるのに何年もかかると聞いたことがある。花が茶褐
色のエビネのほか、黄色の花のキエビネ、キソエビネ、ニオイエビ
ネ、タカネエビネなど日本には15種が自生するという。
・ラン科エビネ属の常緑多年草

▼684号 「海老に似た根・その名もエビネ」

【本文】
低山の林や、竹やぶで野生のエビネを見かけます。エビネは漢字で
海老根。地下の根っこの太い偽球茎が、次々につながっているのを
エビ(海老)に見たてたものだそうです。

この根っこの連なりが増えるのに何年もかかると聞いたことがあり
ます。

かつて一時流行ったエビネブームの時は、愛好家の間で大さわぎ。
ネコもシャクシも山に入り、根こそぎとってしまい、すっかり少な
くなってしまいました。

エビネは葉を新しい茎の先に2、3枚つけ、春になると、葉の間か
ら花茎を出して、10個位の花をつけます。花は、茶褐色で茎2〜3
センチ。内花被片と唇弁は白い色をしています。

エビネは、漢方にも利用されたそうで、地下の偽球茎を煎じて、解
毒、扁桃炎などに服用したこともあったようです。かつて房総の山
村の一軒家を借りてよく野草を食べる会がありました。

ある時、家主さんが自分の持ち山に連れて行ってくれ、足もとにび
っしり生えているエビネを持っていけ、持って行けとすすめられ持
てあましたことがありました。
・ラン科エビネ属の多年草

▼【データ】
【参考】
・「日本の野草」(山と渓谷社)1983年(昭和58)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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