とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚
【ひとり画通信】

▼668号 「南房総花嫁街道・烏場山」

【概略】
かつて花嫁たちが嫁いでいった夢のある名の人気コース。花嫁街道
烏場山山頂では花嫁地蔵も出迎えてくれる。暖かい房州、ハイキン
グの帰りに農家で花をもとめる人も多い。まさに「花と地蔵と七ツ
の子」の山。一時は東京から臨時列車が出るほどの人気だった。
・千葉県南房総市和田町

▼668号 「南房総花嫁街道・烏場山」

【本文】
夢のある名前の南房総のハイキングコース「花嫁街道」。ふもとには
花畑もあり、花と山・海のグコースとして人気があります。

ここはかつて山間の集落と海辺の間の生活物資の運搬や通学のた
めの、また花嫁たちが嫁いで行った道でもあったといいます。しかし
時代とともにいつの間にか忘れられ、長い間廃道になっていました。

その後、「そういえばこんな道があった。これをハイキングコースにで
きないか」と、当時和田浦駅前で旅館を営んでいた古宮一男氏や石
井氏をはじめ地元の有志が発案。

「房総の山を歩く会」会長だった故福田良氏、千葉県山岳連盟の植
草氏などの協力を得て着工。かつての道とは多少コースは変ってい
るものの1981年に完成しました。

有志の中には、昔、身内が実際に花嫁としてここを通っていったとい
う人もいて、それぞれの思いを込めてつけたコース名が「花嫁街道」。
翌1982年4月、その披露山行が行われました。県山岳連盟傘下の山
岳会など大勢の人が参加し、下山口の黒滝で豚汁が振る舞われまし
た。

それから20数年、岩崎元郎氏の「新・百名山」(「朝日新聞」2004年10
月5日付け)に選定されるまでになり、いまでは花のシーズンに専用
列車が運行されています。

コース最高点の烏場(からすば)山には花嫁地蔵・お福さんが建って
います。これは故蔦井信孝氏によるもの。アルコールが好きだった氏
が日本酒一升瓶と引き替えに担ぎ上げたという痛快ななエピソードも
あります。

その時一緒に運ばれたのが入口に建つ双体道祖神。その名のように
道の神サマで旅の安全をつかさどります。山頂・山麓に鎮座するこれ
らの石仏は、これからも訪れる多くのハイカーたちの安全をそれぞれ
見守っていくことでしょう。

なお烏場山の名は、付近はカラスがねぐらにするところで山の名前も
それに由来しているという。南房総は冬でも暖かく、♪真冬ナタネの
花盛りよ…と歌われています。

ハイキングの帰り農家に立ち寄りスイセン、ストック、キンセンカなどを
もとめる人も多い。まさに「花と地蔵と七つの子」の山です。

・烏場山【データ】
【所在地】
・千葉県南房総市和田町(旧安房郡和田町)。JR内房線和田浦駅
から歩いて2時間で烏場山三等三角点(266.6m)がある。地形図
に山名と三角点の標高の記載あり。

【名山】
・岩崎元郎選定「新日本百名山」(第32番選定)

【位置】
・三角点:北緯35度04分53.14秒、東経140度01分31.34秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「安房和田(大多喜)」or「鴨川(大多喜)」
(2図葉名と重なる)。5万分の1地形図「大多喜−鴨川」

【山行】
・日帰り:2001年(平成13)12月22日(土・快晴)烏場山探訪:「下
総中山駅・君津駅・館山駅・和田浦駅・ハイキングコース入口・第
一見晴台・第二見晴台・経文石・黒滝・公園・花畑・和田駅・千葉
駅・下総中山駅」:「花嫁街道」桜井さん・家内と同行

【参考】
・「和田浦ハイキングコース」パンフレット

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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