山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼663号 「当薬なみの効き目・トウヤクリンドウ」

【概略】
リンドウは漢字で竜胆。昔から苦いものの代表は熊のキモ。しかし
リンドウの漢方薬はもっと苦い。まるで熊の上を行く「竜」のキモ
のようだからだという。当薬(センブリ)と同じように乾燥して胃
腸薬にできるため、かつて薬にするため多量に採取し、一時期より
は数が減ってきているという。
・リンドウ科リンドウ属の高山岩石地に生える多年草

▼663号 「当薬なみの効き目・トウヤクリンドウ」

【本文】
「竜胆(リンドウ)や朝襞消ゆる槍穂高」(中島斌雄)という俳句
があります。目的の山頂はまだ遠くガスの中。足元にリンドウの花
を見つけます。

しばし、肩に食い込むザックの重さを忘れさせてくれます。リンド
ウは漢字で竜胆と書きます。昔から苦いものの代表は熊のキモと決
まっています。

しかしリンドウの漢方薬はもっと苦い。まるで熊の上を行く「竜」
のキモのようだからだそうです。ほんとかいな。

リンドウの仲間は変異種が多く、なんとかリンドウ、かんとかリン
ドウと手に負えません。しかし登山者がおなじみなのはトウヤクリ
ンドウ。

高山の礫地に生えています。鐘状の花は淡黄色で緑色の斑点があり、
普通のリンドウと色が違うのですぐ分かります。日光を受けると咲
き、天気の悪い日には花筒を閉じてしまいます。

ほかの高山植物がほとんど終わる8月半ばころによく目立っていま
す。

その名は当薬(センブリ)と同じように乾燥して胃腸薬にできると
ころからその名があるといいます。以前は薬にするため多量に採取
し一時期よりは数が減ってきているそうです。
・リンドウ科リンドウ属の高山岩石地に生える多年草

▼【データ】
【参考】
・「世界の植物・2」(朝日新聞社)1975年(昭和50)
・「植物の世界・3」(朝日新聞社)1996年(平成8)
・「日本大百科全書・16」(小学館)1987年(昭和62)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

 

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