山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼658号 「中ア南端恵那山・前宮ルートの枯れ大ヒノキ」

【概略】
前宮ルートは、最も古い登山道だったが台風の被害を受け、その後
深田久弥が「百名山」で黒井沢ルートを紹介したたため廃道同然に
なっていた。しかし2001年、地元の山岳会が整備、42年ぶりに蘇ら
せたという。途中には樹齢数百年の枯れた大ヒノキも行程の目印に
なっている。・岐阜県中津川市

▼658号 「中ア南端恵那山・前宮ルートの枯れ大ヒノキ」

【本文】
この山は天照大神誕生の胞衣が奉納されたといわれ山名もそこに由
来。私が登った前宮ルートは、登山口が川上集落の前宮本社近くに
ありバス停から歩ける距離。

このルートは最も古い登山道でしたが、昭和34年の伊勢湾台風で甚
大な被害を受けました。その後「百名山」の取材で訪れた深田久弥
が黒井沢ルートを紹介したこともあって前宮ルートは廃道同然。

しかし2001年(平成13)、川上地区にウエストン公園がオープンし、
それに合わせて地元の山岳会が整備、42年ぶりに蘇らせたという。
ここは普通と違って1合目から20合目まであり、途中には樹齢数百
年の枯れた大ヒノキもあって行程の目印になっています。

8月の初め、アブに追い回されながら登りはじめます。途中、古い
石仏や役ノ行者像が迎えてくれ、修験者の山だったことが分かりま
す。その夜は満月でひとり占めの満足感を味わえました。

帰り、形がアオダイショウに似た黒い蛇がやたらに出没。枯れ大ヒ
ノキの腐った幹の割れ目にも、大きいのがジッと動かず張りついて
いるのが神秘的でさえありました。

▼恵那山神社前宮本社【データ】(前宮ルート登山口)
【所在地】
・岐阜県中津川市。JR中央本線中津川駅からウエストン公園行き
バスで終点下車さらに歩いて15分で中津川市川上地区恵那山神社前
宮本社。地形図上には恵那山神社名と記念碑記号のみ記載。付近に
何も記載なし。

【ご利益】
・【恵那山神社前宮本社】:子宝 授け・安産

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【恵那山神社前宮本社】緯度経度:北緯35度26分35.81秒、東経13
7度32分00.99秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「中津川(飯田)」

【参考】
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

 

 

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