とよだ 時・山の伝承民俗画
山旅イラスト【ひとり画通信】(ひとり画展)

▼642号 「野山の花・白い可憐なアマナの花」

【概略】
春原野に花を咲かせるアマナ。2枚の根出葉からのびた花茎の上に
咲く白い星のような可憐な6片の花。日の光を受けると全開する。
野草山菜として利用されるが、とくに球根は生みそをつけてそのま
ま食べられる。名前は球根に苦味もなく、またピリッとした刺激も
ないところからついたという。
・ユリ科アマナ属の多年草

▼642号 「野山の花・白い可憐なアマナの花」

【本文】
春3月から5月、原野にアマナの花が咲いています。2枚の線形の
根出葉。その間からのびた花茎の上に咲く白い星のような可憐な6
片の花。日の光を受けると全開するという。

外側に暗紫色の細いすじがあります。花が終わり、夏に入ると地上
部は枯れてしまいます。チューリップ属とごく近縁というのも納得
できます。アマナは野草山菜として利用されますが、とくに球根は
生みそをつけてそのまま食べられるそうです。

アマナは甘菜。球根が苦味もなく、またピリッとした刺激もないと
ころからついた名前だそうです。

一名ムギグワイの名もありますが、牧野富太郎博士は、鱗茎の形か
らクワイの名がついたが、ムギグワイの方は麦畑の野生するからい
うのか、また葉の細さを麦にたとえたのかははっきりしない。漢名
で「山慈姑」を使うのは正しくないと書いています。

ある早春の日曜日、千葉県佐倉市で巨樹古木観察会がありました。
参加者は90人を越すという大盛況。国立民俗歴史博物館うらの城址
公園を巡ります。

エノキやムクノキ、センダン、ヤブツバキ。ケンポナシ、コナラ、
イヌガヤ、ひときわ大きい幹まわり7mというスダジイを見学。日
当たりのよい広場にもうアマナの群生が花を咲かせていました。

アマナ属はアマナとヒロハアマナの2種だけ。チューリップ属に含
められることも多いという。アマナ属として独立させるのは元東京
大学名誉教授本田正次博士の説だそうです。

本州中北部から四国・九州・奄美大島などに分布。花期:3〜5月。
生育地:野原。

春の野で、アマナの球根に生みそをつけてイッパイ…。いまの時代、
それも怒られそうだな。

【データ】
・ユリ科アマナ属の多年草

【参考書】
・『植物誌』佐藤達夫(雪華社)1967年(昭和42)
・『植物の世界10』(朝日新聞社)1996年(平成8)
・『植物の世界13』(朝日新聞社)1996年(平成8)
・『世界の植物9』(朝日新聞社)1975年(昭和50)
・『日本大百科全書1』(小学館)1984年(昭和59)
・『日本の野草』(山と渓谷社)1983年(昭和58)
・『牧野新日本植物図鑑』牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

山旅イラスト【ひとり画通信】
題名一覧へ戻る
………………………………………………………………………………………………
トップページ「峠と花と地蔵さんと…」
http://toki.moo.jp/