とよだ 時・山の伝承民俗画
山旅イラスト漫歩゚通信【ひとり画通信】(ひとり画展)

▼635号 「山の花・深紅色に咲くヤブウツギの花」

【概略】
葉が密生しておまけに毛が多く、なんとなく「薮」の感じがするヤ
ブウツギ。6月、御正体山から山伏峠に下る急坂付近で真っ赤なヤ
ブウツギを見つけた。急坂で足元が不安手ながら見とれてしばし立
ち止まる。どこかで山仕事のチェーンソーの音が聞こえてくた。
・スイカズラ属タニウツギ属の落葉低木

▼635号 「山の花・深紅色に咲くヤブウツギの花」

【本文】
登山道のわきの落葉低木の密生した葉の間から、ろくに開かない暗
紫紅色の花が、束ね垂れ下がるように咲いています。枝や葉、花、
子房など全体に毛が生えています。

ヤブウツギは葉が密に生えて、おまけに葉や花に毛が多く、なんと
なく「薮らしい」感じがするのでつけられた名前だといいます。

高さ2mから3mで山地に生えていて、枝は灰黒色をしており茎や
枝の髄は白色です。葉のふちは細かいギザギザで、表裏の両面に毛
が生えています。長さ5センチから12センチ。

花は5、6月に咲き、長さ3、4センチで漏斗状鐘形をしています。
奈良県吉野地方では、このヤブウツギを「オーカメバナ」と呼ぶそ
うです。

それは花が咲く5月下旬ごろは鹿の肉が1番うまい時期なのだそう
で、鹿を捕らえようとオオカミが盛んに追いかけていたからだと伝
えます。(「植物の世界・1」)

ある年の6月、山梨県身延線の市川大門駅から東に歩きだし、四尾
連湖(しびれこ)、御坂山塊経由で西丹沢を目指したことがありま
した。

御正体山(みしょうたいやま)で残り少なくなった食料を気にしな
がら小休止をとったあと、西丹沢にとりつく山伏峠に下る急坂付近
に真っ赤なヤブウツギが咲いているのを見つけました。

急坂で足元が不安手ながら見とれてしばし立ち止まりました。どこ
かで山仕事のチェーンソーの音が聞こえてきます。峠の下を通るク
ルマの音が別の世界のことのように感じました。山梨県以西、四国
に分布。
・スイカズラ属タニウツギ属の落葉低木

・山伏峠【データ】
【所在地】
・山梨県南都留郡道志村と同郡山中湖村との境。富士急行腺十日市
場駅の南東10キロ。地形図に峠名のみ記載。標高なし。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【山伏峠】緯度経度:北緯35度27分8.75秒、東経138度55分52.12


【地図】
・2万5千分の1地形図「御正体山(甲府)」

【山行】
第5日目・2000年(平成12)5月31日(水・くもり)探訪:2000年
(平成12)5月27日(土)〜6月2日(金)「高尾駅・身延線市川本町
駅・四尾連湖・王岳・鬼ヶ岳・節刀ヶ岳・大石峠・御坂峠・初狩駅
・高川山・禾生駅・都留駅・御正体山・山伏峠・切通峠・三国山・
不老山・山市場バス停・新松田駅・新宿駅」:「四尾連湖・御坂山塊
・高川山・御正体山・西丹沢高指山・三国山・湯船山・不老山」単
独縦走

【参考】
・「世界の植物・1」(朝日新聞社)1975年(昭和50)
・「植物の世界・1」(朝日新聞社)1996年(平成8)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

山旅イラスト【ひとり画通信】題名一覧へ戻る
………………………………………………………………………………………………
「峠と花と地蔵さんと…」トップページ【戻る】