とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚
【ひとり画通信】

▼570号 「南ア・荒川三山前岳コルのタカネマツムシソウ」

【概略】
荒川三山の東岳は本邦第6位。先年の冬、ここで亡くなった知人が
いる。密かに持っていった線香に静かな高山植物の中で火をつける。
さわやかな風が頬をなでる。入念に火を消す。煙とともにゆらぐ紫
色のタカネマツムシソウがいまでも脳裏に焼きついてる。
・静岡市と長野県大鹿村との境

▼570号 「南ア・荒川三山前岳コルのタカネマツムシソウ」

【本文】
荒川岳の三山は、長野県側の西から静岡県側東へほぼ一列に、前岳
・中岳・東岳(悪沢岳)とならんでいます。いずれも三千m超の高
山です。

とくに東岳(悪沢岳・3141m)は本邦第6位の標高を誇ります。荒
川岳の名は東麓の小渋川の支流荒川の源頭にあるためという。

三山は前岳・中岳・東岳に分けられていますが、実際は前岳(3068
m)と中岳は1つの山で、東岳が東側に派出しているのだそうです。
そのため、東岳をとくに悪沢岳と区別して呼ぶ人が多いようですが、
国土地理院が前岳、中岳、東岳と表記してからは呼び方も定着して
きたという。

ある夏、椹島から登りはじめ千枚岳で1泊。荒川三山前岳につきま
した。実は先年の冬、前岳コルの先で滑落して亡くなった知人のた
め密かに線香を持参しました。

同行者に荒川小屋・赤石岳方面に先に行ってもらい、静かな高山植
物の中で火をつけます。さわやかな風が頬をなでます。線香を友人
に捧げると煙が高山植物の間を揺らいでいきます。しばらくし、入
念に火を消し後を追います。

あの時の煙とともにゆらぐ紫色のタカネマツムシソウがいまでも脳
裏に焼きついています。その時同行してくれた2人もすでに山に散
ってしまいました。
・マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草

・【データ】
【山名・地名】・この三山は長野・山梨・静岡県により呼称が異な
る。山梨県側では西から奥西河内岳・魚無河内岳・悪沢岳(角川静
岡県)。長野県側では西から荒川岳・中岳・連岳(角川静岡県)。長
野県側では西から前岳・中岳・東岳(信州山岳百科)静岡県側では
西から荒川岳・奥西河内岳・地蔵岳(角川静岡県)。静岡県側では
西から荒川岳・奥西河内岳・悪沢岳(信州山岳百科)

【所在地】
・静岡県静岡市と長野県下伊那郡大鹿村との境。大井川鉄道井川駅
からバス、畑薙第一ダムから送迎バス、椹島から歩いて11時間で荒
川三山前岳。写真測量による標高点(3068m)。地形図に山名と標
高点の標高のみ記載。前岳より北東380mに中岳(三等三角点・30
83.2m)がある。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【標高点】緯度経度:北緯35度29分38.91秒、東経138度09分50.8


【地図】
・2万5千分の1地形図「赤石岳(甲府)」

【山行】
・第3日目:1984年(昭和59)8月13日(月・晴れ)荒川三山前岳
探訪:1984年(昭和59)8月11日(土)〜8月15日(水)「南ア・椹島
・荒川三山・荒川岳・赤石岳・聖岳縦走」:「南ア縦走」東京野歩路
会山行

【参考】
・「信州山岳百科・2」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・「植物と神話」近藤米吉編著(雪華社)1973年(昭和48)
・「植物と伝説」松田修(明文堂)1935年(昭和10)
・「世界の植物・7」(朝日新聞社)1981年(昭和56)
・「植物の世界・9」(朝日新聞社)1996年(平成8)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
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