とよだ 時・山旅漫歩゚民俗画
山の伝承【ひとり画通信】

▼569号 「丹沢・標高一番馬場峠」

【概略】
丹沢で一番標高の高い馬場峠は、かつて神奈川県側箒沢集落と山梨
県道志村との交流の道。その昔、奥州平泉の藤原秀衡の家臣・鰐口
伊賀守が藤原氏没落後安住の地を求め、甲州路からここを越えて箒
沢に身を寄せ隠れ住んだという伝説がある。
・神奈川県山北町と山梨県道志村との境

▼569号 「丹沢・標高一番馬場峠」

【本文】
西丹沢・神奈川県と山梨県境になっている尾根上に加入道山があり
ます。そこからわずか東に下ったところが馬場峠(1380m)。丹沢
の中で一番標高の高い峠だという。

ここはかつて神奈川県中川川の箒沢集落と山梨県道志村との交流の
道。箒沢では道志村馬場集落へ越える峠なので馬場峠と呼んだとい
う。

一方、馬場集落では、白石沢のザレノ沢に越えたのでザレ峠といっ
ていたそうです。

その昔、源義経をかくまったことで知られる奥州平泉の藤原秀衡の
家臣・鰐口伊賀守が藤原氏没落後安住の地を求めて、甲州路からこ
の峠を越えて箒沢に身を寄せ隠れ住んだことがあったそうです。

道志村は平地の少ないところ。村人にとってみれば、より広い箒沢
集落はあこがれの土地です。若い女性も好んで嫁入りしたそうです。

馬場峠からは道志側には道が延びていますが、神奈川県側はザレノ
沢が荒々しくガレてしまっていて、いまはどこが峠道かはっきりし
ていません。

この峠でいちばん印象に残るのは、山と渓谷社から丹沢の本を出さ
せていただくにあたり、東丹沢・仏果山から不老山までほぼ全山縦
走したときのことでした。

全行程雪の中、塔ノ岳以降人に会っていません。峠付近で突然大き
な犬が3頭現れました。思わず立ち止まります。

しばらくして猟犬と分かりましたが、ハンターは無言のまま雪道を
道志側へ消えていきました。ただ意味もなく道標をなで回しました。

・【データ】
【山名・地名】
・【異名・由来】:神奈川県側中川川の箒沢集落から山梨県南都留郡
道志村の馬場集落へ越える峠なので「馬場峠」。一方、山梨県側道
志村の馬場集落からは白石沢のザレノ沢に越えたのでザレ峠とも呼
ばれた。

【所在地】
・神奈川県足柄上郡山北町と山梨県南都留郡道志村との境。新松田
駅からバス、西丹沢バス停から白石峠経由3時間半で馬場峠。道標
だけで付近に何もなし。地形図上に標高地名など何も記載なし。峠
より西方向直線約500mに加入道山がある。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【馬場峠】緯度経度:北緯35度30分37.86秒、東経139度03分05.52


【地図】
・2万5千分の1地形図「大室山(東京)」

【山行】
・第4日:1991(平成3)年1月16日(水・快晴):1991(平成3)年
1月13日(日)〜19日(土)「新宿駅・本厚木駅・半原バス停・仏果
山・煤ヶ谷・物見峠・三峰山・不動尻・大山・ヤビツ峠・塔ノ岳・
丹沢山・蛭ヶ岳・檜洞丸・大室山・加入道山・菰釣山・高指山・三
国山・明神峠・不老山・山市場バス停・新松田駅・新宿駅」:「丹沢
ほぼ全山縦走」単独行(初日と最終日は飯塚氏が同行)

【参考】
・「かながわの峠」植木知司(神奈川新聞社)1998年(平成10)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
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