山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼563号 「房総・冬花盛りの花嫁街道」

【概略】
昔、山間の集落から海辺へ花嫁たちが嫁いでいった道。そこを地元
の有志がハイキングコースとして造成したその名も花嫁街道。いま
ではこのコースも有名になった。特別列車が運転されるほどだとい
う。コースから降りれば、冬でも花畑のストックやキンセンカ、水
仙が真っ盛りだ。
・千葉県南房総市

▼563号 「房総・冬花盛りの花嫁街道」

【本文】
ここはかつて山間の集落と海辺の間の生活物資の運搬や通学のため
の、また花嫁たちが山間の集落から海辺へ嫁いで行った道でもあっ
たといいます。

しかし時代とともにいつの間にか忘れられ、長い間廃道になってい
ました。その後、「そういえばこんな道があった。

これをハイキングコースにできないか」と、和田浦駅前で旅館を営
む古宮氏や石井氏をはじめ地元の有志が発案。房総の山を歩く会会
長だった故福田良氏、千葉県山岳連盟の植草氏などの協力を得て着
工。

かつての道とは多少コースは変っているものの1981年に完成しまし
た。その名も「花嫁街道」。夢のある名前のハイキングコースです。

ふもとには花畑もあり、花と山・海のコースとして人気があります。
造成したそのお披露目の日、山の会や大勢の知人たちが参加。豚汁
をご馳走になったものでした。

あれから20数年、岩崎元郎氏の「新・百名山」(「朝日新聞」04年10
月5日付け)に選定されるまでになりました。ある年の12月、花嫁
街道・見晴台(カヤ場)は冬だというのにポカポカ気分のティータ
イム。

朝から前後になって歩いてきた中年女性のハイカーも日向で昼食を
とっています。いまではこのコースもチョー有名。特別列車が運転
されるほどだという。

マテバシイのドングリを食べながら「最高峰」の烏場山(266m)
で一休み。房総の山々から伊豆半島・富士山・伊豆大島などの展望
を楽しめます。

広場のサザンカ、花畑のストックやキンセンカ、水仙が真っ盛りで
した。

▼【データ】
【所在地】
・千葉県南房総市和田町(旧安房郡和田町)。JR内房線和田浦駅
から歩いて2時間で烏場山三等三角点(266.6m)がある。地形図
に山名と三角点の標高の記載あり。

【名山】
・岩崎元郎選定「新日本百名山」(第32番選定)

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【三等三角点】緯度経度:北緯35度04分53.14秒、東経140度01分3
1.34秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「安房和田(大多喜)」or「鴨川(大多喜)」
(2図葉名と重なる)。5万分の1地形図「大多喜−鴨川」

【参考】
・【和田浦ハイキングコース】パンフレット

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
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