とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚
【ひとり画通信】

▼554号 「奥多摩・鷹ノ巣山の熊」

【概略】
突然ボキッと木の折れる音がし、目の前に黒い固まりが落ちてきた。
そしてクマザサの中でこちらの様子を伺っている気配。これは熊だ。
相手も怖いに相違ない。様子を見ながら急坂を引き返した。翌日、
登ってみると大木の太い枝が折れてぶら下がっている。奥多摩には
50〜60頭の熊がいるという。
・東京都奥多摩町

▼554号 「奥多摩・鷹ノ巣山の熊」

【本文】
鷹ノ巣山という山も全国に多くあり、「日本山名事典」(三省堂)を
調べたら、鷹巣山を含めて35座もありました。ここ東京の屋根とい
われる奥多摩にも鷹巣山(1737m)があります。

東麓の奥多摩町日原側では鷹ノ巣山と呼び、南麓の奥多摩湖側では
入奥山(いりおくやま)と呼んだという。また日原登山口にそそり
立つ稲村岩から稲村岩ノ峰の異名もあります。

この付近の一帯は「御巣鷹山」といい、戦国時代は小田原北条氏の、
また江戸時代は徳川家の鷹狩り用の鷹の巣と鷹の幼鳥を育成、保護
するための場所だったという。

2000年の9月、鷹ノ巣山でのお月見山行。日原登山口から稲村岩経
由で3時間近くも登り、ヒルメシグイノタワを過ぎるあたりのこと。

突然、ボキッと木の折れる音がして黒い固まりが落ちてきました。
そしてクマザサの中でゴソゴソしながらこちらの様子を伺っている
気配です。

これは熊だ。相手も怖いに相違ない。様子を見ながら急坂を引き返
し、1200m地点まで下ってテントを張り一夜を過ごしました。

翌日、登り返してみると、きのうのあたりの大木に太い枝が折れて
ぶら下がっています。ここは春夏秋冬おなじみの道。こんなことは
初めてです。

地図を見ると東側に鷹ノ巣谷の支流が突き上げ、大滝もあって熊に
とっても住みやすいに違いありません。1週間前、谷川岳で熊にあ
ったばかりの出来事。

考えれば谷川岳では朝、ここは夕方の差はありますが、両方ともガ
スがかかり物音もしない静かな樹林帯だったことが共通していま
す。

万が一にとラジオをつけていたので、その音に驚いて落ちてきたの
かも知れません。食事中を大変失礼をば致しました。それにしても
奥多摩には50〜60頭の熊がいるそうです。

・【データ】
【所在地】
・東京都西多摩郡奥多摩町。青梅線奥多摩駅の北西8キロ。JR青
梅線奥多摩駅からバス東日原下車、さらに歩いて2時間40分でヒル
メシグイノタワ。地形図に地名標高ともに記載なし。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【ヒルメシグイノタワ】緯度経度:北緯35度49分55.97秒、東経13
9度00分53.55秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「武蔵日原(東京)」or「奥多摩湖(東京)」
(2図葉名と重なる)。

【山行】
・第1日:2000年(平成12)9月14日(木・くもり)奥多摩ヒルメシ
グイノタワ探訪:2000年(平成12)9月14日(木)〜15日(金)「下総中
山駅・日原鍾乳洞・鍾乳洞・登山口・稲村岩・ヒルメシグイノタワ
・15:45分位クマの気配引き返す・1200m地点で幕営・熊にあった
所・鷹ノ巣山・避難小屋・六ッ石分岐・三ノ木戸山分岐・熊野神社
・三河屋(風呂)・奥多摩駅」:「奥多摩お月見山行」

【参考】
・「角川日本地名大辞典13・東京都」北原進(角川書店)1978年(昭
和53年)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「旅と伝説」三元社(昭和17年2月号・p16)「山と地形のことば」
高橋文太郎:「民俗学資料集成29(岩崎美術社)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
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