とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚
【ひとり画通信】

▼499号 「南ア・聖岳の最南記録」

【概略】
日本最南端の3千m級の山。かつて南アルプス3千m峰のなかでも
最も登山者の少ない山。奧聖岳の東南にある小規模のカールは、南
アルプスとしては最南端のもの。聖岳は3つもの記録を持っていま
す。
・長野県飯田市と静岡県静岡市との境

▼499号 「南ア・聖岳の最南記録」

【本文】
南アルプス聖岳は、大井川水系の聖沢、赤石沢などの源流部にあた
る山です。長野県側では西沢ノ岳とも呼び、また早々と太陽の日が
当たることから日知ヶ岳の名もあるといいます。

山頂は東峰と西峰に別れ、東峰を奧聖岳、西峰を前聖岳といい、西
峰の前聖岳は標高が3013mあり、日本最南端の3千m級の山になっ
ています。(一般に聖岳といえば前聖岳のことをいうそうですが)。

聖岳の山名由来にはいくつかの説があります。この山の東南にある
聖沢の曲がり形が、まるで肘を曲げたようにひじっていることと、
山の形が高僧の座る聖の座に似ている(『角川日本地名大辞典・静
岡』)ことなどからきているという説。

また静岡県大井川上流から登るとき、悪沢をへずって行かねばなら
ず、ヘズリ沢がヒジリ沢に転訛。その源頭にある山なのでヒジリ岳
になったという説。(『角川日本地名大辞典・長野』)。

また日本アルプスの3千m峰の最南避遠の地にあって容易に近づき
難いという印象からも、いつとはなしに、ヒジリと呼ばれるように
なったという説など(『信州山岳百科』)。

ところで、この山にはいくつか記録があります。聖岳は東側静岡県
側から東聖岳、奥聖岳、前聖岳とならび、普通は奥聖岳と前聖岳を
双耳峰と呼んでいます。三角点は奥聖岳(2982m)にあります。

しかし西峰の前聖岳は標高3013mで、日本最南端の3千m級の山に
なっています。また静岡県側大井川林道からと長野県JR飯田線平
岡駅からの登山道がありますが、どれもアプローチが長く、かつて
は南アルプス3千m峰のなかでも最も登山者の少ない山になってい
たという(『角川日本地名大辞典・長野県』)。

さらに奧聖岳の東南にある小規模のカールは、南アルプスとしては
最南端のもの(『信州山岳百科』)。このように聖岳は3つもの記録
を持っています。

・【データ】
【山名・地名】ひじりだけ。
・前聖岳(最高峰)と奥聖岳がある。

【所在地】
・長野県飯田市南信濃地区名(旧下伊那郡南信濃村)と静岡県静岡
市との境。飯田線飯田駅の南東31キロ。大井川鉄道井川駅からバス、
畑薙第一ダム下車、歩いて14時間で聖岳。前聖岳に写真測量による
標高点(3013m・最高峰)、それに奥聖岳に三角点(2978.3m)と
写真測量による標高点(2982m)がある。地形図上には聖岳の総称
山名と、前聖岳の山名とその標高、さらに奥聖岳の山名とその三角
点記号と標高、同山の標高点の標高の記載あり。奥聖岳の三角点よ
り西方向直線約45mに同岳の標高点がある。さらに西方向直線約58
0mに前聖岳の標高点がある。

【名山】
・深田久弥選定「日本百名山」(第85番選定):日本二百名山、日
本三百名山にも含まれる。
・清水栄一選定「信州百名山」(第96番選定)

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【前聖岳の標高点】(標高3013m):(写真測量による標高点)(緯
度経度:北緯35度25分21.26秒、東経138度08分22.63秒)

・【奥聖岳の標高点】(標高2982m):(写真測量による標高点)(緯
度経度:北緯35度25分31.14秒、東経138度8分42.48秒)

・【奥聖岳の三等三角点】緯度経度:北緯35度25分31.71秒、東経1
38度08分44.2秒

【基準点閲覧】国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」から検索
・奥聖岳の基準点(三角点):(基準点コード:TR35338110101)(点
名:聖岳)(冠字選点番号:李 20)(種別等級:三等三角点)(成
果状態:正常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°25′3
1.6593、経度 138°08′44.149)(標高:2978.29m)(現況状態:
報告なし 00000000)(所在地:静岡県静岡市葵区田代字中俣)(点
の記図閲覧:×)。(国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」から
検索)

・【点の記】
・閲覧不可

【地図】
・2万5千分の1地形図「赤石岳(甲府)」。5万分の1地形図「甲
府−赤石岳」

【山行】
・第3日目:1988年(昭和63)8月5日(金)聖岳(最高峰前聖岳)
探訪:1988年(昭和63)8月3日(水)〜9日(火)「井川駅・畑薙ダ
ム・椹島・赤石岳・兎岳・茶臼岳・聖岳・光岳・寸又峡・奥泉駅・
井川駅・井川ダム・大日峠・勧業牧場・静岡駅」:「南ア南部・赤石
岳・聖岳・光岳・寸又峡・大日峠縦走」単独行

【参考】
・「信州山岳百科・2」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・「角川日本地名大辞典20・長野県」市川健夫ほか編(角川書店)1
990年(平成2)
・「角川日本地名大辞典22・静岡県」小和田哲男ほか編(角川書店)
1982年(昭和57)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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