とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼489号 「北ア・五竜岳とアリオス星」

【概略】
北アルプスの後立山連峰。北は白馬岳からの稜線は、まるで北斗七
星のひしゃくを逆にしたような形。そのアリオス星にあたるのが五
竜岳。7月、五竜小屋は大風雨。3日目の夕方、突然ウソのように
雲が切れ剱岳方面の雲海に沈む夕日に歓声があがった。
・長野県大町市と富山県宇奈月町との境

▼489号 「北ア・五竜岳とアリオス星」

【本文】
長野県と富山県の境になっている北アルプスの後立山連峰(うしろ
たてやまれんぽう)。北は白馬岳からの稜線は、まるで北斗七星の
ひしゃくを逆にしたような形です。

そのアリオス星にあたるのが五竜岳(ごりゅうだけ)。五竜岳は一
名割菱岳(わりびしだけ)。菱(ひし・りょう)とはこの地方の方
言で断崖・岩壁などをさす言葉だという。

五竜岳には山頂東面G2という岩稜が巨大なX字形の割れ目があり
ます。これが当時の領主武田家の紋所の割菱の形に似ているところ
から武田菱、さらに敬って御菱(ごりょう)とよんだという。

また後立山を音読みすると後立(ごりゅう)山です。この「ごりょ
う」が「ごりゅう」に訛り、五竜岳になったといういきさつがあり
ます。「御稜」と「アリオス」ではちと違和感があるようですが…
…。

7月、五竜岳肩の五竜小屋は大風雨でした。早朝に起きては見まし
たが、テントにたたきつける雨にきょうは停滞と決めました。しか
し1日中、梅雨前線が行ったり来たりで外に出られない日が続きま
す。ツェルトテントのなかを雨水が流れタオルでふき取るのに忙し
い。

3日目の夕方、突然ウソのように雲が切れました。あたりを見よう
と高所の北側白岳まで登ります。西側、黒部川・剱岳方面の雲海に
沈む夕陽に歓声があがります。なんだかなつかしい。

見上げると五竜岳の上に月が顔を出しています。白っぽく淡く(イ
ラストでは黄色に塗ってありますが)静かに浮かんでいます。片方
はハデハデに沈んでいく夕陽。その対比が何とも印象的でした。

・【データ】
【所在地】
・長野県大町市と富山県黒部市宇奈月町旧地区(旧下新川郡宇奈月
町)との境。大糸線神城駅の西8キロ。JR大糸線神城駅からテレ
キャビンを利用歩いて7時間で五竜山荘。キャンプ場がある。地形
図上には山荘名と建物記号のみ記載。山荘より北方向直線約130m
に白岳(2541m・標高点)がある。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【五竜山荘】緯度経度:北緯36度39分49.1秒、東経137度45
分36.15秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「神城(高山)」と「十字峡(高山)」(2図葉
名と重なる)。5万分の1地形図「大町−高山」

【山行】
・第5日目:1987年(昭和62)7月30日(木・強風、霧)五龍岳探
訪:1987年(昭和62)7月26日(日)〜8月3日(月)「新宿駅・
千国駅・源長寺・山の神尾根・天狗原・白馬大池・小蓮華山・白馬
岳・天狗の頭・不帰嶮(かえらずのけん)・唐松岳・五竜岳・鹿島
槍ヶ岳・冷池・爺ヶ岳・扇沢出合・信濃大町・松本駅・新宿駅」:
「後立山連峰(千国白馬大池から爺ヶ岳・扇沢)縦走」家内と同行

【参考】
・「アルパインガイド27・白馬岳・後立山連峰」
・「角川日本地名大辞典20・長野県」(角川書店)1991年(平成3)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「富山県山名録」橋本廣ほか(桂書房)2001年(平成13)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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