とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼470号 「野山のはがき・字書き虫」

【概略】
登山口などの野山でまるで字を書いたような葉っぱを見かける。こ
れはモグリガ、モグリバエ、チビタマムシなどの幼虫が食べたもの。
食べたあとが白く残り、字書き虫、絵描き虫などと呼んでいる。こ
れらの仲間には、モモ・リンゴ・サツマイモ・イネ・麦・エンドウ
・ネギ・ダイズにとりつく害虫ものもいる。

▼470号 「野山のはがき・字書き虫」

【本文】
野山を歩いていて、文字や絵を描いたような木の葉っぱを見たこと
はありませんか。まさに「葉書」です。見つけると不思議な感じが
しますよね。

これは字書き虫(絵かき虫ともいう)の仕業です。字書き虫は葉の
中に潜って暮らす虫で、ハモグリガや、ハモグリバエの総称です。
これらの幼虫の中には、葉の内層の葉肉を食べるため中に潜り込む
習性があるものがいます。

この幼虫たちが、食べたあとが半透明に残り、まるで絵や字を書い
たように葉の表皮を通してみえます。昆虫の種類によって模様が違
うそうです。

ハモグリガは昆虫綱鱗翅目ハモグリガ科の昆虫。幼虫のほとんどが
潜葉性で、大きくなるとハンモックのような繭や絹糸の束で囲んだ
繭を作るそうです。

ハモグリバエは双翅目ハエ群の一科。どんな模様があるのか調べて
みるのも面白いものですね。ただ、植物の葉に潜って葉肉を食べる
のですから、作物だったら大変です。

字書き虫の中には害虫になってしまうものもいるというから残念で
す。ハモグリガの仲間には、モモ・リンゴ・サクラ、クリ・クヌギ、
サツマイモ・アサガオなどに潜るものもがいます。

ハモグリバエの仲間にはイネ・麦・エンドウ・十字花野菜、ネギ・
ダイズにとりつくものもいます。

▼【データ】
・ハモグリガ(昆虫綱鱗翅目ハモグリガ科の総称)
・ハモグリバエ(昆虫綱双翅目短角亜目ハエ群の一科)

【参考】
・「世界大百科事典・3」(平凡社)1972年(昭和47)
・「日本大百科全書・10」(小学館)1986年(昭和61)
・「自然かんさつ学入門」(日本自然保護協会)1985年(昭和60)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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