とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼449号 「東京・高尾山のタコ杉」

高尾山薬王院の参道拡張の際、タコ杉の根が邪魔になり、切り払う
ことになったという。翌朝、斧やのこぎりを持っていって見ると、
一晩のうちに根が山側に片寄っていました。驚いた人々は、これは
高尾山にすむ天狗の仕業に違いないと「天狗杉」とも呼ぶようにな
ったという。いまは高尾山の名所の1つになっています。
・東京都八王子市。

▼449号 「東京・高尾山のタコ杉」

【本文】
休日にでもなれば都民の憩いの場と化す東京高尾山(599m)。山頂
の直下の薬王院は、成田山新勝寺、川崎平間寺とともに真言宗の関
東三山に数えられるほどの名刹です。

高尾山の「タカオ」とは山の尾根が高いところで左右に長く伸びて
いることを示す山名(「日本山岳ルーツ大辞典」)だという。また高
尾山は高雄山の異名があるように、京都市右京区の梅ヶ畑の地にあ
る高雄(山上に真言宗の名刹がる)に模した山ではないかという人
もいます。

高尾山は天狗が名物の山で、京王線高尾山口駅や、JR中央線高尾
駅に、天狗の石像やお面が飾ってあります。この山は奈良時代、行
基菩薩が開いた後、南北朝時代になり、俊源大徳(しゅんげんたい
とく)という、偉いお坊さんが山中の滝で修行していました。

修行に疲れ果てて仮眠していたとき、夢に飯縄(いいづな)権現(天
狗)が現れたという。俊源は、早速その像を彫り、権現堂にまつっ
て、道場にしたということです。これが高尾山修験道のはじまりだ
そうです。

俊源大徳からはじまった住職は代々、三十数世にもなっているとい
う。高尾山のロープウエイの駅を降り、薬王寺への参道をたどると、
樹高30m、樹齢推定300年とも1千年ともいわれる巨杉が目立ちま
す。

この杉は根が盛りあがり、まるでタコの足のようにうねっていて、
タコ杉とか天狗杉と呼ばれます。その昔、薬王院への参道をつくる
とき、杉の根が参道にのびていて、危険でもあり、邪魔になってし
ょうがありません。

道路側だけでも切ることに決まり、翌朝、鋸や斧を持って行って見
たら、ナント一夜のうちに根が山側だけに向いていたという。これ
は高尾山にすむ天狗の仕業に違いないと「天狗杉」とも呼ぶように
なったという。いまは高尾山の名所のひとつになっています。

▼【データ】
【所在地】
・東京都八王子市高尾町。京王高尾線高尾山口駅からケーブルカ
ー、たかおさんえきから45分で高尾山タコ杉。

・高尾山タコ杉:(緯度経度:北緯35度37分46.61秒,東経139度15
分14.08秒)(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検
索)

【地図】
・旧2万5千分の1地形図「与瀬(東京)」or「八王子(東京)」(2図
葉名と重なる)(国土地理院「地図閲覧サービス」から検索)

【山行】「奥多摩戸倉三山−陣馬山−高尾山縦走」
・(日帰り):1984年(昭和59)5月5日(土・晴れ)東京高尾山
探訪:「立川駅・拝島駅・五日市駅・沢戸橋・採石場・刈寄山・入
山峠・トッキリ場・ピーク724・イッポチ・市道山・イッポチ・醍
醐分岐・和田峠・陣馬山・明王峠・影信山・小仏峠・城山・一丁
平・もみじ台・高尾山頂・びわ滝・清滝駅・高尾駅・JR高尾駅」
:専と同行

【参考】
・『図聚天狗列伝・東日本編』知切光歳著(三樹書房)1977年(昭
和52)
・『天狗の研究』知切光歳(大陸書房)1975年(昭和50)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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