とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼425号 「東北・秋田駒ヶ岳登山口田沢湖」

【概略】
秋田駒ヶ岳からも望める田沢湖は、海抜が249mの所にあります。
ところが水の深さは422.4mもあるという。差し引き174mあまりが
海面より深く、日本一の水深を誇ります。ここには辰子姫という、
自分の美貌を永遠にしたいがため魔法の泉に水を飲みに行き、大蛇
になった女性の伝説があります。

▼425号 「東北・秋田駒ヶ岳登山口田沢湖」

【本文】
秋田県の田沢湖は海抜が249mの所にあります。ところが水の深さ
は422.4mあるという。差し引き174mあまりが、海面より深くなっ
ており、日本一の水深の湖ということになります。田沢湖駅には、
大きな竜の模型が飾ってあります。

これは、田沢湖に伝わる「辰子姫伝説」にちなむもの。その昔、湖
畔に住んでいた辰子姫は、世にもまれな美女だったという。辰子姫
は、自分が永遠に若く、美貌のままでいたいあまり、観音さまに祈
願をかけ、毎晩のようにお参りしました。

100日目の夜、「山奥の清らかな泉の水を飲めば願いはかなうであろ
う。ただその願いは人間には許されない願いなのだ。その水を飲む
前によく考えなさい。」との観音さまのお告げがありました。「たと
えどんなことになってもわたしは後悔しない」。

辰子姫はついに山奥深く、その泉を探し当てゴクゴクと飲み続けま
した。そして辰子姫は竜になってしまった。すると姫は竜になって
しまい、田沢湖の湖底に深く消えていったというのです。

先年、旅の紀行の仕事で、カメラマンと田沢湖を訪れました。茶店
で自転車を借り、湖畔一周としゃれこみます。るり色で透明度33m
とパンフにある湖面をながめながらのサイクリング。

梅雨時とて、カゼっぴきの身には厳しい寒さです。対岸の御座の石
神社は、辰子姫をまつります。神社近くに辰子姫が水を飲んだとい
う場所もあり(伝説では山を踏み分け北へ北へと行った山奧深い
所???)、石像も建っています。

だいたいこの湖畔には、浮木神社の辰子姫像、辰子観音、姫観音、
御座の石の辰子像と4つもあり、また説明板もなにかとあればタツ
コタツコ。石像をスケッチしたのはいいけれど、家についたら熱っ
ぽい。後で聞いたらカメラマン氏は一週間も寝込んだという。辰子
姫にたたられた田沢湖でありました。

▼【データ】
【所在地】
・秋田県仙北市田沢湖(旧仙北郡田沢湖町)。東北新幹線田沢湖駅
下車、バスで田沢湖畔。地形図に地区名「春山」の記載のみ。付近
に何も記載なし

【位置】
・【田沢湖畔】緯度経度:北緯39度44分4.08秒、東経140度41分58.2
秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・旧2万5千分の1地形図「田沢湖(秋田)」(国土地理院「地図閲覧
サービス」から検索)

【山行】
・1987年(平成1)7月30日(日・ガス晴れ)田沢湖探訪:1987年(平
成1)7月28日(金)〜8月6日(日)「盛岡駅・八幡平頂上バス停・
八幡平・もっこ岳・岩手山・秋田駒ヶ岳・乳頭温泉・田沢湖・早池
峰山・薬師岳・薬師堂・又一の滝・遠野駅・花巻駅・上野駅」

【参考文献】
・『日本の民話2・自然の精霊』瀬川拓男ほか編(角川書店)1974
年(昭和49)

山と田園の画文ライター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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