とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚【ひとり画通信】

▼369号 「道志・九鬼山の伝説」

【概略】
昔、九鬼山にはたちの悪い鬼どもが住んでいたという。一方、百
蔵(ももくら)山の桃から生まれた桃太郎は、10歳になると村1番
の大男になった。そして桃太郎は、犬目で犬、鳥沢でキジ、猿橋で
猿を家来にした。桃太郎は九鬼山の9匹の鬼を退治したという。

▼369号 「道志・九鬼山の伝説」

【本文】
山梨県道志にある九鬼山(くきやま)は970mという低山です。
JR中央線大槻駅から河口湖方面へ走る富士急行の禾生(かせい)
駅から歩いて1時間ちょっとの所にあります。

山頂は、樹林にかこまれていますが、北から西にかけて展望できま
す。とくに山頂の北西側、ちょっと下がったピークからは富士山が
よく眺められます。

ところで九鬼山のクキ(九鬼、久木)は、地形語で小高いところと
いう意味だといいます。九鬼山にはこんな伝説があります。昔、九
鬼山にはたちの悪い鬼どもが住んでおり、村人から酒や食い物を
奪うなど、悪いことのし放題をしていたという。

一方、この近くに百蔵(ももくら)山という桃がたくさんとれる山
があります。そこの大きな桃が落ちて桂川を流れ、川下で洗濯をし
ていたおばあさんに拾われました。

その桃から生まれた桃太郎、10歳になると6尺5寸という、大月村
でも1番の大男になりました。桃太郎は、犬目(上野原市)で犬、
鳥沢で雉(きじ)、猿橋で猿を家来にしました。

こうして仲間ができた桃太郎は九鬼山目指して鬼退治に出かけ、大
きな富士山をバックに、9匹の鬼を退治したという。また別の話で
は、ある時鬼たちの間で内乱がおこり、何匹かの赤鬼が追い出され、
大月市の岩殿山に移り住みました。

やはり村人たちに悪事のし放題。そこで桃太郎が鬼退治に向かいま
す。その時鬼が流した血で岩殿山周辺は赤土になってしまいました、
また鬼の流した涙は浅利川になり、桂川にそそぐようになったとい
うことです。

▼九鬼山【データ】
【所在地】
・山梨県都留市と大月市の境。富士急行禾生駅から歩いて1時間10
分で九鬼山。二等三角点(970.0m)がある。付近に何もなし。地
形図上には山名と三角点記号とその標高のみ記載。地下にリニア実
験線が通る。

【位置】
・二等三角点:北緯35度34分36秒、東経138度57分04秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「都留(甲府)」

【山行】
・某年11月10日(日曜日・くもり)九鬼山山行時探訪

【参考】
・「甲斐の山岳・甲州の山」(実業之日本社)1989年(平成1)
・「日本山岳ルーツ大辞典」村石利夫(竹書房)1997年(平成9)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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