とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼352号「北ア・東天井岳のホソバツメクサ」

【概略】
大天井岳から常念岳・蝶ヶ岳方面へ延びる常念山脈。その中間にあ
る東天井岳の砂礫地に大きなかたまりになって咲いていたホソバツ
メクサ。株がほぼ円形になって、星形の白い花を平らに開く。ジリ
ジリの8月の太陽の下、涼風とともにちょっとした清涼剤だった。
長野県安曇野市と松本市の境

▼352号「北ア・東天井岳のホソバツメクサ」

【本文】
信州安曇野からも望める大天井岳(三等三角点2922m)から常念岳
(標高点2857m)・蝶ヶ岳(標高点2677m)方面へ延びる常念山脈。
その尾根道はなだらかで、夏などは子どもたちも歓声をあげながら
歩いていきます。

中間あたりにある東天井岳を回り込んだ南側直下の登山道わき、砂
礫地に大きなかたまりになって咲いているホソバツメクサを見つけ
ました。

ホソバツメクサはコバノツメクサともいい、牧野植物図鑑ではコバ
ノツメクサの名で出ています。高山の砂れき地に生えるナデシコ科
タカネツメクサ属の多年草。葉は針形で3〜10ミリくらいの長さ。

かたまっている中心の株から外側へ5〜15センチくらいの細い茎が
枝分かれして伸び、ほぼ円形になって白い花を咲かせます。花は5
弁の星形で平らに開きます。

がく片は5個、雄しべ10個。雌しべの花柱は3個。朔果は4ミリく
らいの萼より長い。熟すと3つに裂け、だ円形の種子をなかから出
すとあります。

じりじりとした8月の太陽の下、物陰ひとつない稜線ではそよぐ涼
風とともにちょっとした清涼剤です。ウンザリした顔の登山者も次
々と立ち止まり、決まったようにカメラに納めていました。

▼【データ】
【所在地】
・長野県安曇野市穂高(旧南安曇郡穂高町)と長野県松本市安曇(旧
南安曇郡安曇村)との境。大糸線有明駅の西16キロ。JR大糸線穂
高駅からタクシー、中房温泉から歩いて9時間30分で大天井岳。写
真測量による標高点(2814m)がある。そのほか付近に何もなし。
地形図上には山名と標高点とそのの標高のみ記載。付近に何も記載
なし。

【位置】
・【標高点】緯度経度:北緯36度21分12.26秒、東経137度42分56
秒秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「槍ヶ岳(高山)」。5万分の1地形図「高
山−槍ヶ岳」

【山行】
・第7日目:1995年(平成7)8月24日(木・快晴)大天井岳探
訪:1995年(平成7)8月17日(木)〜8月28日(月)「新宿駅・
松本駅・大糸線信濃大町駅・七倉・烏帽子岳・野口五郎岳・水晶岳
・雲ノ平・高天原(高天ヶ原)・黒部源流・三俣蓮華岳・双六岳・
槍ヶ岳・大天井岳・常念岳・蝶ヶ岳・大滝山・徳本峠・霞沢岳往復
・島々集落・新島々駅・松本駅・新宿駅」:「北アルプス裏銀座烏帽
子岳から表銀座・常念岳・徳本峠・島々谷縦走時探訪」単独行

【参考】
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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