とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼351号 奥多摩・御前山飲めなくなった清水

【概略】
自然愛好も人数が増えると自然を壊す。以前は山頂直下の避難小屋
の湧き水はおいしい水だった。近年、山が汚れこの水が飲めなくな
っている。縦走をしてきて今夜の宿の避難小屋についた時の安堵感
と清水の味が懐かしい。
・東京都奥多摩町

▼351号 奥多摩・御前山飲めなくなった清水

東京都奥多摩の御前山は、大岳山や三頭山とともに奥多摩三山に数
えられ、そのピラミダルな山容は奥多摩を代表する山。

御前山の名は東側の大岳山を男性に見立てたのに対して、姫御前の
意味だとも、また山の形が神に供える盛り飯に似ているからついた
名だともいいます。

かつて三頭山が大荒れになった時、大和の国に占いに行き、無事山
をしずめた、エカツとミトカツという兄弟がいました。

この兄弟を神として山に祭る際、弟のミトカツを「かのと鹿止御前
社」として御前山に祭ったといいます。

御前山から小河内峠に向かう途中には中平遺跡があって、先史時代
の甲州・武州・信州の文化交流の跡だという。

5月ごろ山頂付近に咲くカタクリは有名で、毎年、見物のハイカー
でにぎわいます。

2月、雨あがりの御前山は雪の小道に霧氷がトンネルをつくってい
ました。ついている木の枝から落ちる氷の音がにぎやかです。以前
は山頂直下の避難小屋わきの湧き水おいしい水でした。

近年、山が汚れてこの水が飲めなくなってしまっています。縦走を
してきて今夜の宿の避難小屋についた時の安堵感と清水の味が懐か
しい。このようなことは他の山にも多い。人気と自然破壊。難しい
問題です。

▼避難小屋【データ】
【所在地】
・東京都西多摩郡奥多摩町。JR青梅線奥多摩駅からバス奥多摩湖
バス停から歩いて2時間45分で御前山避難小屋。三角点より東方
向230mに避難小屋がある。付近に何も記載なし。

【位置】
・【避難小屋】緯度経度:北緯35度46分13.25秒、東経139度04
分59.5秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「奥多摩湖(東京)」。5万分の1地形図「東
京−五日市」

【山行】
・日帰り:1981(昭和56)年2月15日(日・晴れ)御前山:「立川
・奥多摩駅・奥多摩湖・登山口・大ブナ尾根・御前山・湯久保尾根
分岐・ばん野神社・宝蔵寺・武蔵五日市・中山」:「奥多摩御前山」
ファミリー山行

【参考】
・「角川日本地名大辞典13・東京都」北原進(角川書店)1978年(昭
和53年)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「旅と伝説」三元社(1942年(昭和17)1月号)
・檜原村文化財専門委員岡部駒橘氏の手紙(「かのと鹿止御前社」)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
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