とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼349号「北ア・水晶岳の水晶池」

【概略】
水晶岳西麓にある水晶池はかつて猟師たちは竜がすむと信じてい
た。ある夏、岩苔乗越から高天原へ向かう道を分け、細い道の草を
分けながら進むとあらわれた水晶池。ナント水が干上がり池の底が
ヒビ割れていた。これじゃ竜も干からびてしまうわなと苦笑した。
・富山県富山市

▼349号「北ア・水晶岳の水晶池」

【本文】
黒部の最奥にある水晶岳(富山県)は飛騨山脈まっただ中の町・富
山県大山町の中でも最高峰。この山の付近は北アルプスのなかでも
最も風の強いところといいます。

ここは水晶やざくろ石がとれるので水晶岳。また山の色が黒いので
黒岳ともいいますがこれは信州側の呼び方といいます。

地名辞典によれば越中側では江戸時代の元禄13(1700)年の「奥山
御境目通絵図」や、享和3(1803)年の「奥山御境目見通山成川成
絵図」には中嶽(なかだけ)の名で掲載。

また天保10(1839)年の古地図には中岳剣(なかだけつるぎ)とか
中剣岳(なかつるぎだけ)などと記載。これは立山の北の剱岳のよ
うに厳しい山の意味らしいという。

山頂はふたつに分かれ、三角点のある北峰と南峰があります。登山
道は南側からついています。しかし南峰の先は道が頼りなくなるた
め、普通は三角点のある北峰へは寄らずに引き返すようです。

山頂に立つと西麓に水晶池が望めます。この池にもかつて地元の猟
師たちは竜がすむと信じていたという。ある夏、岩苔乗越から水晶
池に行ってみました。

高天原へ向かう道から分かれ、細い道の草を分けながらいい加減進
んだころあらわれた水晶池。ナント水が干上がり池の底がヒビ割れ
ていました。

これじゃ竜も干からびてしまうわなと苦笑。しかし世間からかけ離
れた幽閉さに大満足。見上げると水晶岳が遠くにありました。

・水晶池岳【データ】
【所在地】
・富山県富山市旧大山町各地区名(旧上新川郡大山町)。富山地方
鉄道立山線有峰口駅からバス、終点折立下車、歩いて15時間で水
晶池。地形図に池の名記載。池の付近に2293mの写真測量による
標高点。

【位置】
・【水晶池】緯度経度:北緯36度25分42.74秒、東経137度35分
19.8秒。池の付近に2293mの写真測量による標高点がある

【地図】
・2万5千分の1地形図「薬師岳(高山)」

【山行】
・第3日目:1995年(平成7)8月19日(土・晴れ)水晶岳探訪
探訪:1995年(平成7)8月17日(木)〜8月28日(月)「新宿駅
・松本駅・大糸線信濃大町駅・七倉・烏帽子岳・野口五郎岳・水晶
岳・雲ノ平・高天原(高天ヶ原)・黒部源流・三俣蓮華岳・双六岳
・槍ヶ岳・大天井岳・常念岳・蝶ヶ岳・大滝山・徳本峠・霞沢岳往
復・島々集落・新島々駅・松本駅・新宿駅」:「北アルプス裏銀座烏
帽子岳から表銀座・常念岳・徳本峠・島々谷縦走時探訪」単独行

【参考】
・「黒部の山賊・北アルプスの怪」伊藤正一(実業之日本社)1995
年(平成7)
・「角川日本地名大辞典16・富山県」坂井誠一ほか編(角川書店)1
979年(昭和54)
・「日本歴史地名大系16・富山県の地名」(平凡社)1994年(平成6)
・「飛騨山脈の縦走」辻村伊助(「日本山岳風土記・1」(宝文館)1
960年(昭和35)所収)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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