とよだ 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚【ひとり画通信】

▼328号 「北ア・槍ヶ岳東方西岳テント場の雷」

ヒュッテ西岳のテント場は常念岳、大天井岳、槍・穂高の山々に囲
まれたなかの丘のように突き上げたところ。夕飯をすませたころか
ら天気が急変、ガラガラ、バリバリとテントの真上の物凄い雷。も
う我慢も限界。度肝を冷やしてヒュッテに飛び込みました。

・【所在地】長野県大町市と長野県松本市安曇(旧南安曇郡安曇村)
の境。JR大糸線穂高駅からタクシー中房温泉から歩いてのべ10時
間で喜作新道西岳ヒュッテ。地形図に西岳ヒュッテと記載あり。

▼328号 「北ア・槍ヶ岳東方西岳テント場の雷」

北アルプス表銀座縦走路の喜作新道。朝、燕岳を出発、槍ヶ岳へ向
かう登山者はたいがいヒュッテ西岳でお昼。この付近は草原になっ
ていてお花畑も見られます。

テント場は小屋の前を通り赤沢山方面へ進み、常念岳、大天井岳、
槍・穂高の山々に囲まれたなかの丘のように突き上げたところで
す。

ある年の8月半ば、烏帽子岳から入り裏銀座を雲ノ平・三俣蓮華岳
・双六・槍を通り常念に向かいました。快晴の中、水俣乗越からハ
シゴや鎖を頼りにヒュッテに登り返します。

早々にテントを張り、まわりの山々を眺めます。このテント場には
わがテント一張りだけ。まわりの景色はわがものだ。

夕飯をすませ、いっぱいやりながら思い存分景色を堪能します。と
ころが間もなく天気が急変、暗くなるころにはガラガラ、バリバリ
と物凄い雷になりました。

ラジオはガーガーいい、何も聞こえません。おそるおそるテントか
ら顔を出して驚きました。槍の肩・北穂・奥穂・常念・大天井の小
屋の明かりに囲まれたなか、真上から稲光が頭の上をねらっています。

ン、もう我慢の限界、テントから飛び出します。とたんにガラガラ
ッ、ドカーンと地響きがします。ひゃー、有り難く驚かしてくれま
す。そしてヒュッテまで全速力走。途中で雷に当たったらとの恐怖
におそわれます。

走っているいまの自分が無事なのが不思議なくらいに思われます。
やっと着いたヒュッテ西岳。飛び込んだ小屋の屋根の下、宿泊客が
顔をならべて空を仰いでいます。

「大丈夫だった?」。たったの6,7分でしたが、なんともなんと
も長く感じました。まさに命がけの出来事でした。

▼【データ】
【所在地】
・長野県大町市と長野県松本市安曇(旧南安曇郡安曇村)の境。J
R大糸線穂高駅からタクシー中房温泉から歩いてのべ10時間で喜作
新道西岳ヒュッテ。地形図に西岳ヒュッテと記載あり。

【位置】
・西岳ヒュッテ:写真測量による標高点(2686m)。【緯度経度】北
緯北緯36度20分08.19秒、東経137度40分48秒(国土地理院「電
子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「槍ヶ岳(高山)」or「穂高岳(高山)」(2
図葉名と重なる・地図閲覧サービスから)

【山行】北アルプス裏銀座烏帽子岳から表銀座・常念岳・徳本峠・
島々谷縦走
・第7日:1995年(平成7)8月24日(木・快晴)西岳探訪:1995
年(平成7)8月17日(木)〜8月28日(月)「新宿駅・松本駅・大糸
線信濃大町駅・七倉・烏帽子岳・野口五郎岳・水晶岳・雲ノ平・高
天原(高天ヶ原)・黒部源流・三俣蓮華岳・双六岳・槍ヶ岳・大天
井岳・常念岳・蝶ヶ岳・大滝山・徳本峠・霞沢岳往復・島々集落・
新島々駅・松本駅・新宿駅」:単独行

【参考】
・「信州山岳百科・1」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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