とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼324号 「北ア・常念岳山小屋前のコマクサ」

【概略】
安曇野から大きく望める前常念。そののうしろの常念岳肩にある常
念小屋は子供たちの声でにぎやかだった。小屋の前に小さな石垣が
積んである。人に踏まれないよう囲まれたなかに咲く花。山小屋近
くのコマクサはしあわせだ。
・長野県松本市と安曇野市の境

▼324号 「北ア・常念岳山小屋前のコマクサ」

長野県安曇野から西に大きく望める前常念のうしろに常念岳(2857
m)があります。常念岳は常念坊伝説が有名です。4月上旬から下
旬にかけて前常念岳の東側に常念坊の雪形もあらわれます。

この雪形はふもとの農作業開始の目安になっていたという。いまで
も常念岳山頂には、常念坊をまつった祠があり、かつては中に常念
坊の石仏があったそうです。

しかし、たびたび盗難にあい、いまは何代目かの常念像が常念岳の
鞍部にある常念小屋に保管されています。常念岳から西を眺めると
槍ヶ岳を人間の鼻に、大喰岳を胸に見たてると大男が仰向けに寝て
いるように見えます。

ちゃんと左手(大喰岳からの尾根)を持ち、ちょっと出っ張ったへ
そ、または男性自身?になっている中岳もあります。(常念小屋・
山田恒男氏に聞いた話)。

また「常念が、峰だけ出て雲が帯のようにひくと雨になる」「常念
に朝日が当たるとその日は晴れ」などの言い伝えもあります。常念
小屋近くに踏まれないよう石垣で囲んだものがあります。中に小さ
な高山植物の花。山小屋近くのコマクサは幸せですね。

▼【データ】
【所在地】
・長野県松本市安曇と同県安曇野市堀金との境。大糸線豊科駅の北
西16キロ。JR大糸線穂高駅からバス、中房温泉から歩いて10時
間で常念乗越(常念小屋)。写真測量による標高点(2466m)があ
る。地形図に常念乗越と標高点の標高、常念小屋の文字のみ記載。

【位置】
・【標高点】緯度経度:北緯36度19分59.97秒,東経137度43分
36.49秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「穂高岳(高山)」

【山行】北アルプス裏銀座烏帽子岳から表銀座・常念岳・徳本峠・
島々谷縦走
・第8日:1995年(平成7)8月25日(金・快晴)常念岳探訪:19
95年(平成7)8月17日(木)〜8月28日(月)「新宿駅・松本駅・大
糸線信濃大町駅・七倉・烏帽子岳・野口五郎岳・水晶岳・雲ノ平・
高天原(高天ヶ原)・黒部源流・三俣蓮華岳・双六岳・槍ヶ岳・大
天井岳・常念岳・蝶ヶ岳・大滝山・徳本峠・霞沢岳往復・島々集落
・新島々駅・松本駅・新宿駅」:単独行

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

………………………………………………………………………………………………
山旅イラスト【ひとり画通信】
題名一覧へ戻る