とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼307号「房総・富山里見八犬伝伏姫」

【概略】140字
富山は滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』の舞台としても有名で、鞍部
を西側に下ったところに「伏姫の籠穴」がある。洞くつの中には、
祠や石塔がならび異様な雰囲気が漂っている。ところで作者の馬琴
は、この山に来たことがないという。小説を見て誰かが洞くつを探
したのだろうか。
・千葉県南房総市

▼307号 「房総・富山里見八犬伝伏姫」

房総半島の南部に位置する富山は形のよい双耳峰で観音峰と呼ぶ南
峰と、鞍部を隔てた広場に展望台のある北峰があります。富山とは
房総開拓の祖・天富命にちなんだ山だという。

北峰は金比羅堂があるので、金比羅峰とも呼ばれています。南峰に
はもと731(天平3)年、行基菩薩創建の観音堂があったので観音
峰の名があるそうですが、いまは仮堂がポツンと建っているのみ。

その観音堂仮堂わきに巖谷小波の「山高きが故に尊からず、この山
馬琴の麗筆によりてその名永(とこしえ)に高く尊し」の詩碑も建
っています。

この詩碑に書かれているように、この山は滝沢馬琴の『南総里見八
犬伝』「富山の洞に畜生菩提心を発す流水に泝(さかのぼり)て神
童未来果を説く」の舞台としても有名です。

鞍部を西側に下ったところにはその「伏姫の籠穴」があります。入
口には観光名所として看板が建ち、「仁、義、礼、智、忠、信、孝、
悌」の文字を使っての説明文があります。

洞くつの中には、祠や石塔がならび異様な雰囲気が漂っています。
ところで作者の馬琴は、この山に来たことがないというから面白い。

実は現地取材なしの創作洞くつが、後世になり、それこそ偶然に発
見されたものだそうです。いまはきれいなトイレも建っています。

▼【データ】
【所在地】
・千葉県南房総市富山地区(旧安房郡富山町)。JR内房線岩井駅
の東3キロ。JR内房線岩井駅から歩いて1時間半で富山南峰。さ
らに10分で北峰。南峰に観音堂の仮堂があるが地形図には地名標高
ともに記載なし。北峰に三等三角点(349.5m)と電波塔がある。

【位置】
・【三等三角点】緯度経度:北緯35度5分55.82秒、東経139度52分53.
48秒(電子国土ポータルWebシステムから検索)

【基準点の詳細】
・基準点:(基準点コード::TR35239571001)(点名:富山)(冠字
選点番号:暑 21)(種別等級:三等三角点)(成果状態:正常)(測
地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°05′55.856、経度 139°
52′53.4873)(標高:349.54m)(現況状態:正常 20030415)(所
在地:記入なし)(点の記図:閲覧不可)。(国土地理院「基準点成
果等閲覧サービス」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「保田(横須賀)」or「金束(横須賀)」(2
図葉名と重なる)(国土地理院「地図閲覧サービス」から)。5万分
の1地形図「横須賀−那古」「電子国土ポータルWebシステム」から

【山行】
・1980年(昭和55)6月8日(日・雨+雷):【1980年(昭和55)6
月8日(日)雨+雷「富山・伊予ヶ岳・清掃登山」

【参考】
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「南総里見八犬伝」(第二輯巻の一、第十二回)曲亭馬琴(小池藤
五郎校訂)(岩波書店)1985年(昭和60)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)
・「房総の山」千葉県山岳連盟(千秋社)1977年(昭和52)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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