山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼299号 「奈良県・金剛山朝のジョギング」

【概略】
金剛山は飛鳥時代に役ノ行者小角が開山したといわれ、平安時代以
降は山伏の修行道場として栄えた。金剛山は山頂に井戸があり、そ
のまわりならどこでもテントを張っていいというキャンプ場。明け
方大勢の足音がします。出勤前のジョギング登山仲間だそうな。
・奈良県御所市

▼299号 「奈良県・金剛山朝のジョギング」

奈良と大阪の県境に連なる金剛山地。金剛山や大和葛城山(昔はこ
の辺りをただ葛城山といった)は、役ノ行者の修行の場として有名
です。

金剛山(標高1125m)はその主峰で古くは葛木山、別名高天山とも
いったという。飛鳥時代に役ノ行者小角が開山したといわれ、平安
時代以降は山伏の修行道場として栄えました。

山頂には役ノ行者創建といわれる金剛山転法輪寺(金剛山寺)のほ
か、葛木神社や宿泊所、展望台やキャンプ場まであります。山名は
金剛山転法輪寺の山号にちなむもの。最高点は葛木岳で、明治の初
年までは女人禁制だったという。

葛城縁起(諸山縁起)によれば「この山に一度行く者長く悪道に墜
ちずと云へり…三世の香水なる閼伽(アカ)の井あり」とあります。

春とはいえ山裾の御所市葛城古道は暑いくらいです。寺務所で聞く
と井戸のまわりならどこでもテントを張ってもいいという。つるべ
で汲んだ井戸水はやはりうまい。三世の香水、長く悪道に墜ちない
だろう。

野良犬が数匹うろついています。明け方暗い広場を散歩します。足
下でなにやらうなり声。犬の黒い影が動いています。何もしないよ。
後ろで大勢の足音がします。毎朝出勤前にジョギング登山仲間だそ
うな。お疲れ様です。

▼【データ】
【所在地】
・奈良県御所(ごせ)市。JR和歌山線吉野口駅駅の西7キロ。J
R和歌山線、近鉄南大阪線御所駅から歩いて3時間45分で金剛山。
写真測量による写真測量による標高点(1125m)、葛木神社と法輪
寺がある。地形図に山名と標高点の標高、葛木神社の文字と寺院記
号の記載あり。その他数個の建物記号あり。

【位置】
・【標高点】緯度経度:北緯34度25分10.06秒、東経135度40分22.55
秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「五條(和歌山)」or「御所(和歌山)」(2
図葉名と重なる)

【山行】紀伊の山縦走
・某年4月5日(水・快晴)金剛山探訪

【参考】
・『日本大百科全書・9』(小学館)1986年(昭和61)
・『日本山名事典』徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)
・『日本歴史地名大系30・奈良県の地名』(平凡社)1981年(昭和56)

【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会

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