とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼296号 「北ア・雲ノ平高天ヶ原の露天風呂」

【概略】
水晶岳からお湯が流れるその名も温泉沢につくった、北アルプスの
中心部の露天風呂・高天原温泉。雲ノ平にテントを張りっぱなしに
して往復7時間半、わざわざこの温泉に入りに行った。真っ青な空、
ゆっくりと流れる雲。オニヤンマが遊びに来た。
・富山県富山市

▼296号 「北ア・雲ノ平高天ヶ原の露天風呂」

北アルプスの黒部湖からさらに上流・黒部川が高原台地を巻くよう
にして西に湾曲し回り込みます。その台地が「雲ノ平」です。ここ
に行くには交通の発達したいまでも、富山側、岐阜側、長野側のい
ずれから入っても途中で一泊は必要な所です。

その雲ノ平からさらにまた3時間の山奥に高天原(たかまがはら)
という所があります。岩苔平(いわごけだいら)ともいい、水晶岳
(すいしょうだけ)西側の岩苔谷が水晶岳の崩壊で埋められて湿原
化したものだという。

ここには地塘(ちとう)がたくさんあり、温泉も湧くところです。
また高天原は水晶岳山腹からお湯が流れ出ているその名も温泉沢も
あります。その沢すじには露天風呂もつくられています。

ここが北アルプス最奥の露天風呂・高天原温泉です。訪れる人は自
由に入れ山旅の疲れを癒してくれます。

ある年の8月、台地の雲ノ平にテントを張りっぱなしにして往復7
時間半かけてわざわざこの温泉に入りに行ったことがあります。ワ
タスゲやニッコウキスゲなど高山植物が咲く一本道をひたすら歩
き、着いたところが硫黄で赤茶けた岩がゴロゴロしている温泉沢。

岩で囲っただけの露天風呂のほかに女性用の風呂場は葦簀のような
もので囲いがしてあります。太陽がさんさんと照るなか、どっぷり
と露天風呂に浸かります。

そばを流れる沢に湯気が上がっています。その沢すじを通る風がふ
〜っと顔をなでていきます。真っ青な空、ゆっくりと流れる雲。普
段と同じ空の下にいるとは思えない悠久とした時の流れです。

いまごろ登山者たちは懸命に歩き続けていることでしょう。オニヤ
ンマが飛んでいきます。下界からつながっている糸が切れたような
ひととき。思わず居眠りをしてしまいました。

▼【データ】
【山名・地名】・高天原(たかまがはら)・岩苔平(いわごけだいら)

【所在地】
・富山県富山市(旧上新川郡大山町)。富山地方鉄道立山線立山駅
の南東20キロ。富山地方鉄道有峰口駅からバス折立終点下車、歩い
て15時間で高天原温泉。湯屋がある。地形図に温泉記号と建物記号
のみ記載。温泉記号より北方約390mに竜昌池があり、南方605mに
高天原山荘がある。(or付近に何も記載なし)。標高2100〜2200mと
される。

【位置】
・【高天原】緯度経度:北緯36度26分42.76秒、東経137度35分5.5秒
(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「薬師岳(高山)」

【山行】裏銀座烏帽子岳から表銀座・常念岳・徳本峠・島々谷縦走
・第4日目:1995年(平成7)8月21日(日・ガスのち晴)高天原
探訪:1995年(平成7)8月17日(木)〜8月28日(月)「新宿駅・松
本駅・大糸線信濃大町駅・七倉・烏帽子岳・野口五郎岳・水晶岳・
雲ノ平・高天原(高天ヶ原)・黒部源流・三俣蓮華岳・双六岳・槍
ヶ岳・大天井岳・常念岳・蝶ヶ岳・大滝山・徳本峠・霞沢岳往復・
島々集落・新島々駅・松本駅・新宿駅」:単独行

【参考】
・「山DAS」石井光三(白山書房)1997年(平成9)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)
・「日本歴史地名大系16・富山県の地名」(平凡社)1994年(平成6)
・「黒部の山賊・北アルプスの怪」伊藤正一(実業之日本社)1995
年(平成7)

【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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