とよだ 時 「山の伝説伝承」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼288号 「紀伊・台高山脈大台ヶ原のツチノコ」

【概略】
『古事記』や『日本書紀』、『和漢三才図絵』などにも記載されてい
るツチノコ伝説。口が大きく人の脚に咬みつく。坂のような斜面を
下ることは速いが登るのは苦手などとある。大台ヶ原の三重県側登
山口・大杉谷登山センターでは、ツチノコを見つけたら連絡をと呼
びかけている。
・三重県大台町

▼288号 「紀伊・台高山脈大台ヶ原のツチノコ」

奈良県と三重県にまたがる大台ヶ原・日出ヶ岳(1695m)は、年間
雨量5千100ミリを越す日本の最多雨地帯だという。

ある秋、雨は一晩中降り続けテントをたたきます。さすが日本一雨
量の多いところだと妙に感心します。雨具の下までびしょ濡れです。
そんななか、渡船に乗りやっと着いた下山口大杉集落。

そこの登山センターで変わったヘビの絵を描いた大きなパネルを見
つけました。「ツチノコ…ここ台高山脈でも最近まで目撃した人が
多い。山中で出遭った人は詳細な情報を当センターに報告して下さ
い」という意味の文が添えてあります。

ツチノコ(野槌ヘビともいう)の伝承は古く、「日本書紀・巻第一」
(神代上に、また「古事記・上つ巻」(伊耶那岐命と伊耶那美命、
神々を産むの項)には、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)、伊耶那
美命(いざなみのみこと)が野の神・鹿屋野比売(かやのひめ)、
またの名・野槌神(のづちがみ)を産んだとあります。

また江戸時代の寺島良安著『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』
(巻第四十五竜蛇部)に、奈良県吉野の山中ではよく見かける。口
が大きく人の脚に咬みつく。坂のような斜面を下ることは速いが登
るのは苦手なので、もし襲われたら高いところに逃げるとよいなど
と書いてあります。

登山センターといえば公的な機関。あながちまゆつばではないのか
も知れません。

▼【データ】
【所在地】
・三重県多気郡大台町(旧三重県多気郡宮川村)大杉集落。JR紀
勢本線松坂駅からバス2時間大杉終点下車、大杉谷登山センター。
売店などがある。地形図に建物記号のみ記載。付近に何も記載なし。

【位置】
・【大杉谷登山センター】緯度経度:北緯34度16分45.04秒、東
経136度11分45.45秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステ
ム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「宮川貯水池(伊勢)」

【山行】紀伊の山大台ヶ原縦走
・第6日目:1994年(平成6)11月5日(土・晴れ)日出ヶ岳探訪:
1994年(平成6)10月31日(月)〜11月7日(月)河辺町講演「京都駅
・橿原神宮駅・二上山・久米の岩橋・大和葛城山・御所駅・和歌山
駅・紀伊由良駅・興国寺・川辺町役場・道成寺・河辺町で講演・サ
イクリングターミナル・御坊駅・和歌山駅・橋本駅・極楽橋駅・高
野山・橋本駅・大和上市駅・大台ヶ原・日出ヶ岳・大杉谷・松坂
駅」:単独行

【参考】
・「日本書紀・巻第一」(神代上):「岩波文庫日本書紀・一」坂本太
郎ほか校注(岩波書店)1995年(平成7)
・「古事記・上つ巻」:新潮日本古典集成「古事記」西宮一臣校注(新
潮社)2005年(平成17)
・「日本未確認生物事典」笠間良彦(柏美術出版)1994年(平成6)
・「和漢三才図会」寺島良安(巻第四十五竜蛇部):東洋文庫471「和
漢三才図会7」(巻第四十五竜蛇部)島田勇雄ほか訳注(平凡社)1
989年(平成元)

【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会

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