とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼280号 「北ア・鏡平の池の中の槍ヶ岳」

【概略】
深い谷をはさんでそびえる槍ヶ岳の影が大小の池が散在する鏡平の
水面に映る。明治時代の画家で登山家の中村清太郎は「北アルプス
の秘境」で、鏡平の場所に「清見ヶ原」、池には「穂影の池」と命
名している。そばに山小屋もあり、休憩する登山者でいつも満席状
態だ。
・岐阜県高山市

▼280号 「北ア・鏡平の池の中の槍ヶ岳」

北アルプスのまっただ中、岐阜県新穂高温泉から双六岳(すごろく
だけ)へ向かう途中、弓折岳(ゆみおれだけ)直下に鏡平(かがみ
だいら)というところがあります。

ここは標高2300mのところ。大小の池が散在し、深い谷をはさんで
そびえる槍ヶ岳の影が青く澄んだ水面に映る絶景が名物になってい
ます。

そばに山小屋もあり、鏡池のほとりのベンチはまわりの景色を見な
がら休憩する登山者でいつも満席状態です。山小屋で売っているか
き氷を手に談笑する人も多い。

明治時代の画家で登山家の中村清太郎はその著「北アルプスの秘境」
で、鏡平の場所を「清見ヶ原」、池には「穂影の池」と命名してい
ます。穂影の池はまさにぴったりの名前。時おりさざ波が揺らぐ池
に槍ヶ岳の穂影が細かにゆれます。

ここの登山道は「小池新道」の名があります。これは双六小屋を経
営している小池潜さんの父上が開いたための命名。小池さんは50年
前その父と初めて双六小屋に登ったという。

40年前に小屋経営を父から引き継いでいまでは鏡平山荘、ワサビ平
小屋、黒部五郎小舎も経営しています。カメラをよくしこれまでに
4冊の写真集を出版しています。

鏡平の山荘は1965(昭和40)年にできましたが、豪雪で2回つぶさ
れるなど老朽化が目立ってきたため、1999年に全面改築工事が行わ
れました。

ことしの夏山も暑かった。鏡平についても木陰がなく、木道の上を
ウロウロ。「穂影」の絶景も上の空です。雨傘を取り出しさすあり
さま。

ふと足下に登山靴の靴底が落ちているではありませんか。私も古い
山靴のそこがとれかかったことがあります。この人、どうやってバ
ス停のある新穂高温泉まで歩いたのでしょうか。

靴下だけの足を引きずりながら、岩の上や砂利道をただただ歩む気
の毒な姿を思い浮かべました。

▼【データ】
【所在地】
・岐阜県高山市上宝町(旧同県吉城郡上宝村)。JR高山本線高山
駅からバス、新穂高温泉終点から歩いて5時間半で鏡平山荘。地形
図に池と山荘名と建物記号の記載あり。付近に何も記載なし。

【位置】
・【鏡平山荘】緯度経度:北緯36度20分45.35秒、東経137度36
分13.73秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検
索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「三俣蓮華岳(高山)」

【山行】北アルプス笠ヶ岳〜黒部源流縦走
・第9日目:1994年(平成6)8月13日(土・快晴)探訪:1994年(平
成6)8月6日(土)〜15日(月)「東京駅・岐阜駅・高山駅・新穂高
温泉・笠ヶ岳・双六岳・黒部五郎岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳・水晶岳
・黒部源流・新穂高温泉・ロープウエイ・西穂山荘・高山駅・岐阜
駅・東京駅」:家内と同行

【参考】
・「北アルプスの秘境」(中村清太郎)
・「愛しき山稜−双六岳をめぐりて−小池潜写真集」(山と渓谷社刊)
2003年(平成15)

【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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