とよだ 時 「山の伝説伝承」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼274号 「奥秩父・金峰山と五丈岩」

【概略】
金峰山頂には高さ18mもの大岩・五丈岩があります。遠くから見
ると大黒さまに似ており、岩は御像岩と呼ばれたという。その下に
は小さな祠と、金峰山神社の鳥居が長野県側を向いている。山名は
「きんぷさん」だが、神社の名は「きんぽうざん」だという。
・山梨県甲府市と長野県川上村との境

▼274号 「奥秩父・金峰山と五丈岩」

山梨県と長野県境にそびえる金峰山(きんぷさん・標高2599m)。
平安時代初期、智聖(ちしょう)法師が金峰山を開山した山といい、
山梨側では「きんぷうさん」、長野県側では「きんぽうさん」と呼
んでいたそうです。

最近は「きんぽうさん」とも呼ぶそうですが、「きんぷさん」が一
般的のようです。金峰山の山梨県側の里宮である御岳町(いまは甲
府市御岳町)金桜神社の由緒(社記)によれば、ここはかつては金
丸山といっていました。

しかし飛鳥時代の文武(もんむ)天皇の時代(在位697〜707)に
大和金峰山より蔵王権現を勧請し本宮(山宮)と里宮に祀ったため、
金峰山と改称したという。

その山頂には高さ18mもの大岩があり、五丈岩と呼ばれています。
遠くから見るといかにも大黒さまの像に似ており、御像石・御影石
と呼ばれたといいます。

それは5立方mくらいの方形節理の巨石。岩の南面には石祠があり、
いまは2基の石灯籠が残っていますが昔は修験者の籠堂があったと
いう。

その大岩の北側下には小さな祠と、金峰山(きんぽうざん)神社と
書かれた鳥居が北側の長野県側を向いて建っています。神社の名が
山名の「きんぷさん」ではなく、「きんぽうざん」神社と読むのは、
先述のように長野県川上村側ではこの山を「きんぽうざん」と呼ん
だところからきているといいます。

これは同村の金峰山神社の奥宮で、里宮は川上村川端下(かわはけ)
と秋山、梓山(あずさやま)の3地区にあり、それぞれの氏神にな
っています。

金峰山は昔の農耕の神(雨乞い)の山として、ふもとの民家の信仰
厚く、戦国時代には川端下集落にはお寺がたくさん建っていたとい
います。

江戸中期の儒学者荻生徂徠(おぎゅうそらい)の『峡中紀行』に、
金峰山頂は黄金の地であり、西麓には金山(かなやま)という地区
もあって、武田氏の時代の金の採掘場所だったともいうことから、
金鉱にかかわる山であるため金峰山の名がついたとする説もありま
す。

▼金峰山【データ】
【山名】
・【異名、由来】:金峰山(きんぷさん・きんぷぜん・きんぷうさん
・きんぽうざん・きんぷざん)・幾日峰(いくひのみね)

【所在地】
・山梨県甲府市と長野県南佐久郡川上村(合併せず)との境。JR中
央本線韮崎駅の北東24キロ。中央本線塩山駅からタクシー・大弛峠
から歩いて1時間45分で金峰山(きんぷさん)。五丈岩と三等三角点
(2595.03m)と標高点(2599m)、金桜神社の山宮(本宮)跡があ
る。地形図に山名と三角点の標高と標高点の標高の記載あり。三角
点より北西方向380mに金峰山小屋がある。

【名山】
・深田久弥選定「日本百名山」(選定):日本二百名山、日本三百名
山にも含まれる。
・岩崎元郎選定「新日本百名山」(選定)
・山梨県選定「山梨百名山」(選定)
・田中澄江選定(1981年)「花の百名山」(選定)
・田中澄江選定(1995年)「新・花の百名山」(選定外)

【位置】
・【標高点】:【緯度経度】北緯35度52分17.81秒、東経138度37分31.
69秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

・【三角点】:【緯度経度】北緯35度52分17.4092秒、東経138度37分3
1.1284秒(電子国土ポータルWebシステムから検索)

【基準点の詳細】
・基準点(三角点):(基準点コード:TR35338654001)(点名:金峰)
(冠字選点番号:水 2)(種別等級:三等三角点)(成果状態:正
常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°52′17.4092、経
度 138°37′31.1284)(標高:2595.03m)(現況状態:正常 19970
622)(所在地:記入なし)(点の記図:閲覧不可)。(国土地理院「基
準点成果等閲覧サービス」から検索)

【点の記】
・閲覧不可

【地図】
・2万5千分の1地形図「金峰山(甲府)」or「瑞牆山(甲府)」(2
図葉名と重なる)。5万分の1地形図「甲府−金峰山」

【山行】金峰山・大弛峠・川端下(かわはけ)
・第2日:・1994年(平成6)4月29日(金)金峰山探訪:1994
年(平成6)4月28日(木)〜5月1日(日)「新宿駅・韮崎駅・富
士見平・金峰山・朝日岳・大弛峠・国師ヶ岳・廻り目平・川端下バ
ス停・信濃川上駅・小淵沢駅・新宿駅」家内と同行

【参考】
・「角川日本地名大辞典20・長野県」市川健夫ほか編(角川書店)1
990年(平成2)
・「甲斐国志」(松平定能(まさ)編集)1814(文化11年):(「大日
本地誌大系」(雄山閣)1973年(昭和48)
・「角川日本地名大辞典19・山梨県」磯貝正義ほか編(角川書店)1
984年(昭和59)
・『日本歴史地名大系・山梨』(平凡社)1995年(平成7)
・「日本歴史地名大系・長野」(平凡社)1990年(平成2)

【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会

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