山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼266号「奥秩父・甲武信岳信濃川千曲川源流」

【概略】
総延長367キロと日本一の長さを誇る信濃川。水源は奥秩父・甲
武信岳の長野県側直下標高2200m。そこは水源標のほか、地元
の小学生のつくった立て札、木柱がたくさん建っている。登山者が
水を求めて集まりそれぞれに憩う。源流点は以外ににぎやかだった。
・長野県川上村

▼266号「奥秩父・甲武信岳信濃川千曲川源流」

長野県と新潟県を流れる信濃川は総延長367キロ、日本一の長さを
誇ります。長野県内では千曲川と呼ばれ、島崎藤村の『千曲川のス
ケッチ』、小林一茶の『帰郷』の舞台にもなっています。

『万葉集』では筑摩川として詠まれて以来、多くの古歌に登場して
います。この千曲川が長野県東部から新潟県に入ると信濃川と名を
変え、県のどまん中を貫流、新潟市で日本海に注いでいます。

この川の水源は、長野、山梨、埼玉県境にある奥秩父・甲武信岳(標
高2475m)の西北長野県側直下、標高2200m地点にあります。

ある年の6月、奥秩父甲武信ヶ岳とミズシと呼ばれるピークの鞍部
から長野県側の源流点に降りて行ってみました。

そこには「千曲川信濃川水源標」とか、地元の小学生のつくった立
て札のほか、「清流、いつでも美しくあれ」などと書かれた木柱が
たくさん建っています。

登山者はザックをおろし大休止。おやつを食べる者、突然湧き出す
水を口にする者、それぞれに憩い源流点は以外ににぎやかでした。

そばで地元の人らしい犬を連れた2人が、これから掘り出す植え木
のありかをいつまでもしゃべっていました。これって盗掘とちが
う??それにしては堂々と話しているなあ。

▼【データ】
【所在地】
・長野県南佐久郡川上村。JR小海線信濃川上駅からバス、梓山停
留所下車、さらに歩いて4時間20分で千曲川源流の碑(標高2250
m地点)。地形図に何も記載なし。源流に碑よりより直線東方向約6
00mに甲武信ヶ岳がある。付近に何も記載なし。

【位置】
・【千曲川源流の碑】緯度経度:北緯35度54分37.78秒、東経138
度43分20.2秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」か
ら検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「金峰山(甲府)」

【山行】金桜神社・奥秩父縦走
・某年6月26日(日・晴れのち小雨)甲武信ヶ岳探訪

【参考】
・「角川日本地名大辞典・長野」(角川書店)1991年(平成3)
・「信州山岳百科・3」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)

【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会

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