とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼252号「北ア・白馬尻のキヌガサソウ」

【前文】
古い写真を見ていたら一家揃っての白馬山行の1枚が出てきまし
た。北アルプス白馬岳大雪渓の白馬尻山荘をバックに、そばのキヌ
ガサソウの白い花がよく目立っていました。長野県白馬村

【本文】

北アルプスの白馬大雪渓は、剱沢雪渓、針ノ木雪渓とともに日本三
大雪渓のひとつ。全長3.5キロ。標高差600mと日本一のスケールを
誇ります。

大雪渓直下の白馬尻から白馬岳山頂までは、上り約4時間30分、下
り約2時間30分の距離です。白馬大雪渓は白馬岳登山のメインルー
トになっています。

白馬尻に行くには、白馬駅から終点猿倉でバスを降り、ブナやトチ
の原生林のなかの林道を歩きます。やがて木橋を渡ると山道になり、
シラネアオイ、ニリンソウ、コバイケイソウなどの高山植物を見な
がら、なおも進むと大雪渓の直下につきます。

大雪渓の最下部は溶けだした部分が雪渓に食い込み、その下を融雪
水が恐ろしい勢いで流れています。

子供たちがまだ小学生だったある夏、白馬尻の小屋に泊まり白馬岳
から朝日岳、蓮華温泉への縦走を試みたことがありました。あれか
らン十年。山の写真の中からその時のものが出てきました。

誰かに撮影を頼んだのでしょうか。一家揃って白馬尻山荘をバック
に収まっています。そばのキヌガサソウの白い花がよく目立ってい
ました。

ところで、この大雪渓で銅の鉱脈が発見され、採掘が行われた時代
もあったという。1897年(明治30)ころ鉱脈が発見され、なんだか
んだとお上から試掘を許可されたのは戦後になってから。

登山者から見えないよう、またシーズンは中止という条件付きでし
た。しかし地元は「白馬岳の観光価値を損なうもの」として強く反
対。結局本格的に発掘できないまま中止になったということです。

しかし、これらの試掘のため登山道が整備され、登山者から喜ばれ
たという皮肉な話もあります。

▼【データ】
【所在地】
・長野県北安曇郡白馬村。JR大糸線白馬駅からバス、猿倉から1
時間で白馬尻。大雪渓の最下部。白馬尻小屋と白馬尻荘がある。地
形図に山小屋名のみ記載。付近に何も記載なし。

【位置】
・【白馬尻】緯度経度:北緯36度45分3.28秒、東経137度46分58.03
秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「白馬岳(富山)」or「白馬町(富山)」(2
図葉名と重なる)(国土地理院「地図閲覧サービス」から検索)。

【山行】白馬岳から朝日岳・蓮華温泉
・第3日目:1980年(昭和55)8月7日(木・晴れ)白馬尻探訪:
1980年(昭和55)8月5〜9日(火〜土曜日)「白馬駅・猿倉・白
馬尻・白馬岳・三国境・鉢ヶ岳・赤男山・雪倉岳・朝日岳・五輪尾
根・蓮華温泉・平岩駅」ファミリー山行

【参考】
・「信州山岳百科・1」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・「北アルプス白馬連峰 その歴史と民俗」長沢武(郷土出版社)1
986年(昭和61)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

………………………………………………………………………………………………
山旅イラスト【ひとり画通信】
題名一覧へ戻る