とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼251号 「八ヶ岳・編笠山のコケモモ」

【序文】
八ヶ岳南端の編笠山は、編み笠のような形からきた名前だという。
見ればなるほどよく似ています。赤岳から権現岳、青年小屋経由で
編笠山に登ってみたら、小さな女の子がお母さんとコケモモを一生
懸命つんでいます。思わず一緒にとって上げました。
・山梨県北杜市と長野県諏訪郡富士見町との境

【本文】

八ヶ岳連峰南端の編笠山(標高2523.7m)は、円錐形の編み笠のよ
うな形からきた名前だという。山頂から北東へ下ったところには青
年小屋という避難小屋があります。

このあたりは権現岳との鞍部でちょっとした平地になっています。
編笠山と青年小屋との間の斜面はところどころ粗大なゴロゴロとし
た岩がころがっています。

そのまわりはハイマツが茂り、登るにも下るにも歩きづらいことと
いったらありません。そのためか編笠山に登らずに観音平に行ける
よう東麓に巻き道があります。

東山麓には武田信玄がつくった軍道の棒道が残っています。また山
頂から100m下った場所で、黒曜石でつくった縄文時代の矢尻も見
つかっており、縄文人もこのあたりで生活していたようです。

山頂からの展望は雄大で、八ヶ岳の峰々や北・中央・南アルプス、
天子山系、御坂山系、富士山まで、また甲府盆地、諏訪盆地も一望
できます。

ここには高山植物のコケモモやシオガマ、ミネウスユキソウなどが
分布しています。

ある年の夏、赤岳から縦走、青年小屋で小休止。お茶とおやつをほ
おばってから編笠山に登りました。体に斑点のあるホシガラスがハ
イマツのマツカサにある実をついばんでいます。

夜露でぬれた岩が滑べりやすい。やっと山頂に登ってみたら、小さ
な女の子がお母さんとコケモモを一生懸命つんでいました。ジャム
や果実酒にするのでしょうか。それともケーキ?

2、3個つまみ、ほおばりながら探すと面白いように見つかるので
す。あった、あった。歓声を上げながらしばらく一緒にコケモモ取
りを手伝いました。

▼【データ】
【山名】
・由来:円錐形の編み笠のような山の形からついた。

【所在地】
・山梨県北杜市小渕沢町(旧北巨摩郡小渕沢町)と長野県諏訪郡富士
見町との境。JR中央本線小淵沢駅からバス観音平、さらに歩いて4時間
半で編笠山。二等三角点(2523.7m)がある。地形図に山名と三角点の
標高の記載あり。三角点より東北方向471mに青年小屋がある。

【名山】
・山梨県選定「山梨百名山」(第3番)

【位置】
・三角点:北緯35度56分30.08秒、東経138度20分42.2秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「八ヶ岳西部(甲府)」(国土地理院「地図
閲覧サービス」から検索)。5万分の1地形図「甲府−八ヶ岳」(「電
子国土ポータルWebシステム」から検索)

【山行】八ヶ岳縦走
・第3日目:1984年(昭和59)9月24日(月・快晴)編笠山探訪:
1984年(昭和59)9月22(土)〜24日(月)「茅野駅・美濃戸・横
岳・赤岳・権現岳・編笠山・小淵沢駅」:ファミリー山行

【参考文献】
・「角川日本地名大辞典20・長野県」市川健夫ほか編(角川書店)
1990年(平成2)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成16)

【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会

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