山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼246号 「北ア・白馬鑓ヶ岳大出原のクルマユリ」

【概略】
穂高の近くの槍ヶ岳のようにとがった山。両方を区別するため鑓の
字を使ったという鑓ヶ岳。日本で2番目に高い温泉白馬鑓温泉。こ
こは雪崩の巣のため毎年建て替えるという。鑓温泉への途中の大出
原は一面のお花畑。クルマユリがまるで風車のように風にゆれてい
た。
・長野県白馬村

▼246号 「北ア・白馬鑓ヶ岳大出原のクルマユリ」

【本文】
北アルプス白馬岳南方にある鑓ヶ岳は、穂高近くの槍ヶ岳と同じ「や
り」。そこで区別するため鑓の字を使い白馬鑓ヶ岳といっています。
また白馬岳ととなりの杓子岳、鑓ヶ岳をあわせて白馬三山と呼んだ
りします。

その白馬鑓ヶ岳から2時間ばかり下ったところに日本で2番目に標
高の高いところにある白馬鑓温泉(「角川日本地名大辞典・長野」
では日本第2位、「山DAS」では第5位)があります。

白馬三山を歩く人は普通、自然の冷蔵庫の中にいるような白馬大雪
渓を登り、白馬岳山頂へ。さらに南下、鑓ヶ岳から鑓温泉に泊まり
ます。

その途中の大出原は一面の草原のお花畑。ハクサンコザクラ、ウサ
ギギク、シナノキンバイが花ざかり。とくにクルマユリが大群生し
ます。いっせいに黄金の風車が回っているように風にゆれています。
あちこちでカメラのシャッターの音がにぎやかでした。

ちなみに大出原の名は、白馬鑓ヶ岳の裏側、富山県側に硫黄がとれ
る朱殿坊山があり、かつて大出村の村人が硫黄搬出時、大勢遭難し
たところといわれています。

クルマユリは深山高山の草原などに生えるユリで、花は黄金色、茎
の中央部あたりに、葉が何枚も車形に輪生しています。
・ユリ科ユリ属の多年草

▼【データ】
★【所在地】
・長野県北安曇郡白馬村。JR大糸線白馬駅からバスで50分、終点猿倉
から歩いて3時間で鑓温泉(標高2100m)。地形図に何も記載なし。温
泉西方500mに大出原のお花畑あり。

★【位置】
・鑓温泉:北緯36度43分28.06秒、東経137度45分59.9秒

★【地図】
・2万5千分の1地形図「白馬町(富山)」

★【山行】白馬岳・鑓温泉
・某年8月3日(金・晴れ)探訪

★s【参考】
・「山DAS」石井光三(白山書房)1997年(平成9)
・「角川日本地名大辞典20・長野県」市川健夫ほか編(角川書店)1
990年(平成2)
・「北アルプス白馬連峰 その歴史と民俗」長沢武(郷土出版社)1
986年(昭和61)
・「信州山岳百科・1」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画展通信】
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