とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼222号 「東北・鳥海山の鳥海アザミ」

【概略】
ふもとから見ると「心」の字の形に見えるの「心字雪」雪渓。山頂
北の河原宿側に残る。心字雪は「鳥海山の歌」にも登場、河原宿小
屋ではおやじさんが宿泊客に自慢ののどを聞かせてくれるという。
薊坂あたりはその名のように「チョウカイアザミ」の大きな花が下
を向いて咲く。
・山形県遊佐町。

▼222号 「東北・鳥海山の鳥海アザミ」

秀麗な稜線を誇る山形県の名山鳥海山(ちょうかいさん・2236m)
は、「出羽富士」とも「秋田富士と」とも呼ばれ、東北の山では福
島県・燧ヶ岳(ひうちがたけ・22356m)についで第2の標高をも
っています。

鳥海山で有名なものに「心字雪」があります。ふもとから望むと、
残雪の雪渓が「心」という字の形になって見えるもので、山頂北の
河原宿(かわらじゅく)側に残ります。

心字雪は「鳥海山の歌」にも登場し、河原宿小屋ではおやじさんが
宿泊客に自慢ののどを聞かせてくれるという。「……消えぬその雪
 心字雪 とけて流れる河原宿 お花畑や花畑 眺めはつきやせぬ
眺めはつきぬ」(土方達男作詞・作曲)。

ある夏、湯の台登山口から蓬来山経由で河原宿へつきました。心字
雪雪渓を登る前にひと呼吸していると、山小屋の従業員がやってき
てここではテント禁止だという。

「いやきょうは御本社に泊まります」。行動食をとったあと、雪渓
を登りはじめました。途中、薊坂(あざみざか)というところがあ
り、あたりはその名のように「チョウカイアザミ」の大きな花が下
を向いて咲いています。

稜線に出て日本海を眺めると、大きな夕日が海面を照らしていまし
た。さあ、もうすぐ日没だぞ。

御本社に急ごう、急ごう。ついでながら、チョウカイアザミは、こ
こ鳥海山にしかない特産品。

高さは1〜1.5mになる大形植物で、葉は下部につくものはロゼッ
ト状に広がり群生しています。葉の長さは35センチで形はだ円形、
中ほどまで裂ける切れ込みがあって、先端にするどいトゲがありま
す。

花をとりまく総包片(がくに見えるもの)から粘液が分泌している
ため、さわると大変ねばるのも特徴のひとつです。

オニアザミに似ていますが、頭花を開いて筒状花を比較すると区別
できると図鑑にありました。
キク科アザミ属の日当たりのよい草原に生える多年草。

▼【データ】
【所在地】
・山形県飽海郡遊佐町。JR羽越本線酒田駅からバス、湯ノ台から
歩いて4時間半で河原宿。河原宿小屋と箸玉子神社、付近に写真測
量による標高点(1555m)がある。地形図に標高点の標高と山小屋
の建物記号の記載あり。山小屋より西方向63mに標高点がある。付
近に何も記載なし。

【位置】
・【河原宿】緯度経度:北緯39度04分41.04秒、東経140度02分
0.65秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「鳥海山(新庄)」or「湯ノ台(新庄)」(2
図葉名と重なる)(国土地理院「地図閲覧サービス」から検索)

【山行】朝日連峰・鳥海山・月山縦走
・第6日目:1984年(昭和59)8月4日(金・晴れ)探訪:1984年
(昭和59)7月30日(日)〜8月5日(日)「上野駅・山形駅・小朝日
岳・大朝日岳・以東岳・大鳥池・酒田・月山・鳥海山・鉾立・象潟
駅・上野駅」

【参考】
・「植物の世界・002」(週刊朝日百科)(朝日新聞社)1994年(平
成6)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)
・「鳥海山の歌」4のA(土方達男作詞・作曲)
・「日本の野草」(山と渓谷社)1983年(昭和58)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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