とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼213号「奥多摩・獅子口小屋跡の獅子口」

【概略】
ここの水場は名の通りライオンの口の形の岩から清水が湧き出して
います。ある年ガイドブック発行の調査のため入山。獅子口小屋跡
は雪の吹き溜まり。ひざ上くらいまで積もっているなかにテントを
張りました。久しぶりの雪山気分。翌日、ラッセルで踊り平に出る
まで40分もかかりました。
・東京都奥多摩町

▼213号「奥多摩・獅子口小屋跡の獅子口」

東京都の山・奥多摩。その川苔山(かわのりやま・1363m)北方の
踊り平下にある獅子口小屋跡は、キャンプの好適地になっています。

そばにある水場は、その名の通りライオンの口の形の岩から豊富な
石清水が湧き出しています。一時間足らずで埼玉県に接する「日向
沢ノ峰」に到達するところ。

奥多摩駅からのハイキングの好適地である川苔山の北側にあるもの
の、コースから少し外れることもあって静かです。まわりは沢の水
を利用した「ワサビ田」になっていて鉄線で囲いがしてあります。

かつては近くに山小屋があってワサビなどを売っていましたが、か
なり以前に取り壊し、いまは材木が積んであります。

ワサビ田には、時々、ワサビの間引きしたものや落とした茎や葉が
捨ててあり、それを食べながらハイカーが通り過ぎていきます。

ある冬、社会人の山岳会70周年記念の一環として東京の山のガイド
ブックを発行することになり、そのとりまとめを担当しました。そ
の仕上げの調査のために奥多摩全般を回るため単独入山しました。

獅子口小屋跡を訪れたのは3日目。小屋跡はは雪の吹き溜まりにな
っていました。ひざぐらいまで積もった雪の中にテントを張りまし
た。久しぶりに雪山気分を味わいました。

ところが翌日、すぐそこの踊り平までのラッセルで小1時間もかか
る悪戦苦闘。一歩、一歩が前に進めずヘトヘトになりながら一般登
山道へ出てみればなんて事ない、枯れ葉が舞う歩きやすいいつもの
登山道。

いままでの苦労は何だったのか。こんなところでこんな目に遭うの
はいい体験なのかも。逆にいえば幸運だったといえるかも知れませ
ん。

▼【データ】
【所在地】
・東京都西多摩郡奥多摩町。JR青梅線川井駅から歩いて3時間50
分で獅子口小屋跡。廃材置き場になっている。地形図に何も記載な


【位置】
・【獅子口小屋跡】緯度経度:北緯35度51分36.06秒、東経139
度06分22.97秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」か
ら検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「武蔵日原(東京)」(国土地理院「地図閲
覧サービス」から検索)

【山行】
・第3日目:1992年(平成4)2月16日(日・快晴)探訪:1992年
(平成4)2月14日〜16日「立川駅・奥多摩駅・境橋・御前山・鋸
尾根・天地山・中野集落・氷川キャンプ場・大休場尾根・本仁田山
・獅子口水場・蕎麦粒山・一杯水避難小屋・東日原・奥多摩駅・東
京駅」:単独行

【参考】
・「アルペンガイド・17」奥多摩・奥武蔵(山と渓谷社)1990年(平
成2)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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