とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼209号 「木曽御嶽山三ノ池天狗伝説」

【概略】
三ノ池の避難小屋はアルマヤ坊天狗の棲み家の直下。日も暮れて小
屋の土間のテントでアルコールを飲みながらの天狗待ち。突然何か
の気配。顔を出してみれば雨戸のない小屋の入り口に登山者1人。
旅館の若旦那とかで、ラジオをガンガン。おまけに一晩中ランタン
をつけやがった。
・長野県木曽町

▼209号 「木曽御嶽山三ノ池天狗伝説」

中央アルプス・木曽御嶽山(3067m・長野県)は山頂付近から一ノ
池・二ノ池・三ノ池・四の池・五ノ池と池が五つあります。その中
の三ノ池の水は、延命や病気の治癒に効果ありとされ、登山者が飲
めるように池のそばにはひしゃくがたくさん置いてあります。

いまでも持参した水筒に水を汲んで持ち帰る人が多いという。突然
ですがこの山には小天狗・木の葉天狗などたくさんの天狗が棲むと
されています。

それらを取り仕切るのが首長の六尺坊(ろくしゃくぼう)をはじめ、
アルマヤ坊、刀利天坊(とうりてんぼう)、大頭羅坊(おおずらぼ
う)と呼ばれる大天狗たちだとのこと。

9月のある日、その大天狗を訪ねて登りました。田の原から入り、
王滝頂上、剣ヶ峰から継母岳、摩利支天山、飛騨頂上、継子岳。
池も一ノ池から全部まわりました。今夜のねぐらは三ノ池の避難
小屋。今夜のねぐらは三ノ池の避難小屋。ここはアルマヤ坊のす
み家阿留摩耶天(あるまやてん)の直下です。

日没も過ぎ、小屋の中の土間にテントを張って、アルコールをチビ
リチビリとやりながらひとり天狗の出現を待ちます。昼間三ノ池の
水を飲みすぎたか少々下痢ぎみ。

これも天狗のなせる怪異のひとつか。突然何かの気配。テントから
顔を出してみれば、雨戸のない避難小屋の入り口にひとりの登山者。
名古屋からきた旅館の若旦那とかで、ラジオをガンガン鳴らしてい
ます。おまけに暗闇が怖いのか、一晩中ランタンをつけやがった。
ああ……。

▼【データ】
【地名】・一ノ池から五ノ池まである。

▼【所在地】
・長野県木曽郡木曽町(旧木曽郡開田村)。JR中央本線木曽福島
駅からバス2時間で田の原終点、さらに歩いて4時間40分で三ノ池。

・池のほとりに避難小屋がある。ろうそくたてや池の水を汲むひし
ゃくなどがある。

・地形図に池名のみ記載あり。三ノ池より北方向500mに四の池が
ある。三ノ池より北西方向350mに飛騨頂上がある。三ノ池より西
方向550mに摩利支天がある。

【位置】
・三ノ池:北緯35度54分26秒,東経137度29分11秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「御嶽山(飯田)」

【山行】木曽駒ヶ岳・麦草岳・木曽御嶽・蓼科山
・第5日目:1992年(平成4)9月8日(火・快晴)探訪:1992年
(平成4)9月4日(金)〜10日(木)「新宿駅・駒ヶ根駅・千畳
敷・木曽駒ヶ岳・濃ヶ池・麦草岳・上松駅・木曽福島駅・田の原・
木曽御嶽山八合目石室・王滝口頂上・剣ヶ峰・飛騨頂上・三ノ池・
田の原・木曽福島駅・茅野駅・親湯入口・蓼科山・親湯入口・茅野
駅・新宿駅」:単独行

【参考】
・「図聚天狗列伝・東日本編』知切光歳(三樹書房)1977年(昭和5
2)
・「天狗の研究」知切光歳(大陸書房)1975年(昭和50)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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