とよた 時・山岳ゆ-もぁ画
山旅漫歩゚【ひとり画通信】

▼193号 「東北・吾妻連峰西吾妻山の天狗岩」

【概略】
吾妻連峰西方西吾妻山近くの吾妻神社(吾妻明神)は、大己貴神(お
おなむちのかみ)=大国主命(おおくにぬしのみこと)を主祭神に
大和武尊(やまとたけるのみこと)、菅原道真など50数柱をまつる
にぎやかさ。吾妻権現とも呼ばれる山伏の修行場だった。
・福島県北塩原村と山形県米沢市の境

▼193号「東北・吾妻連峰西吾妻山の天狗岩」

『日本書紀』に、日本武尊(やまとかけるのみこと)が東国へ遠征
のおり、長野県軽井沢町と群馬県松井田町との境にある碓日嶺(う
すひのみね・旧碓氷峠)に立ち、妻をしのんで東南の方を望んで「あ
づまはや」と嘆いたという地名起源説話があります。

福島、山形の県境にあるここ、吾妻連峰にも同じいい伝えがありま
す。最高峰の西吾妻山(標高2035m)は、深田久弥著『日本百名山』
にも数えられており、北側・天狗岩には吾妻神社(吾妻明神)があ
って、祠というよりは社のようなりっぱさです。

まわりの石垣にすっぽりかこまれ、東方を向いています(神社や祠
はまつった村の方向を向く)。吾妻神社は、大国主命(おおくにぬ
しのみこと)ともいわれる大己貴神(おおなむちのかみ・大穴牟遅
神とも書く)を主祭神に、日本武尊(やまとたけるのみこと)、菅
原道真から大物主命(おおものぬしのみこと)など五十数柱を祭る
というにぎやかな神社です。

説話にもとづくのか碓氷峠の近くの群馬県吾妻郡中之条町にも鎮座
しています。この神社は平安時代の「延喜式・えんぎしき」の新明
帳にも東屋沼神社、東屋国神社の名で出てくるそうです。

のち吾妻権現と呼ばれ修験道の信仰の基地になります。天狗岩の地
名もあるのはやはり修験に関係があるのでしょう。毎年7、8月は
猪苗代城下から山伏たちが登ったということです。

▼【データ】
【所在地】
・福島県耶麻郡北塩原村と山形県米沢市との境。山形新幹線米沢駅
からバス、白布温泉から4時間で天狗岩。吾妻神社(吾妻明神)の
祠がある。地形図に天狗岩の文字と鳥居記号を記載。天狗岩より西
方向200mに標高点(2004m)がある。

【位置】
・【天狗岩】緯度経度:北緯37度44分35.14秒、東経140度08分
23.31秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「吾妻山(福島)」(国土地理院「地図閲覧
サービス」から検索)

【山行】
・第6日目:1991年(平成3)10月21日(月・曇りのち雪)吾妻連
峰西吾妻山の天狗岩探訪:1991年(平成3)10月16日(水)〜23日(水)
「三陸海岸取材・裏磐梯・五色沼・会津磐梯山・浄土平・吾妻小富
士・姥ヶ原・一切経山・五色沼・家形山・人形石・西吾妻山・小野
川湖・猪苗代湖駅」:家内と同行

【参考】
・「吾妻山の歴史」榊原源隆(猪苗代町教育委員会提供)
・「山岳宗教史研究叢書7・東北霊山と修験道」月光善弘編 (名著
出版)1977年(昭和52)
・「新編会津風土記2」1809(文化6)年編纂(全120巻):「大日本
地誌大系第30巻〜第34巻」(雄山閣)
・「東北の山岳信仰」岩崎敏夫(岩崎美術社)1996年(平成8)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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