とよだ 時・山岳ゆ-もぁ画
【ひとり画通信】109号

房総・養老渓谷大福山白鳥神社

【概略】
伝染病の疱瘡の瘡は「かさ」と読み、カサ神とも呼んでいます。カ
サは笠に通じるため笠森寺や笠森稲荷などになっています。紅葉ま
っ盛りの房総の養老渓谷にテントを張りました。翌日、近くの大福
山、白鳥神社に行き参拝しました。祠(ほこら)に真新しい注連縄
(しめなわ)とご弊(へい)が風になびいています。だれもいない
静かな境内で、先日の祭りの時に出た生ゴミをカラスがあさってい
ました。
・千葉県市原市

房総・養老渓谷大福山白鳥神社(詳細)

各地の神社やお寺に疱瘡(ほうそう)神の祠も目につきます。疱瘡
とは天然痘のことだそうです。天然痘は1918年に撲滅が確認されま
したが、それ以前は最も恐ろしい伝染病として知られていました。

奈良時代、735年(天平7)の流行をはじめとし、たび重なる流行
に人々はただ感染しないことを神仏に祈るのみでありました。疱瘡
を神としてまつり封じ込め、鎮めるため各地に「疱瘡神送り」の祭
りまであります。

疱瘡の「瘡」はかさと読みカサ神とも呼んでいます。カサは笠に通
じるため瘡守(かさもり)の意味から笠森寺や笠森稲荷などの名の
寺や神社がありますが、みな皮膚病の神になっています。

ある年11月の末、房総半島にある、紅葉まっ盛りの養老渓谷「梅ヶ
瀬」にテントを張ってみました。駅前で地酒を購入。沢でとったば
かりのクレソンやセリなどの山菜のつまみと、真紅の山々にアルコ
ールのまわりも一段と早い。

翌日、近くの大福山、白鳥神社に参拝。疱瘡神のホコラに真新しい
注連縄(しめなわ)が張られ、ご弊(へい)が風になびいています。

5日前がお祭りだったとか。ガサガサッという音。大きなカラスが
2、3羽、祭りでにぎわった名残であろう、生ゴミのつまったクズ
かごをあさっていました。

▼【データ】
【所在地】
・千葉県市原市。内房線五井駅のりかえ小湊鉄道・養老渓谷駅下車、
歩いて1時間で大福山。標高点(292m)がある。地形図に山名と
神社記号(鳥居)と標高点の標高の記載あり。

【位置】
・標高点:写真測量による標高点(292m)。緯度経度:北緯緯35
度15分24.28秒、東経140度07分24.35秒(国土地理院「電子国
土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「大多喜(大多喜)」or「久留里(大多喜)」
(2図葉名と重なる)(国土地理院「地図閲覧サービス」から検索)

【山行】
・日帰り:1981年(昭和56)10月18日(日)「千葉駅・房総西線五
井駅・小湊鉄道養老渓谷駅・女ヶ倉・梅ヶ瀬・大福山・白鳥神社・
小湊鉄道上総大久保駅」

【参考】
・「民間信仰辞典」桜井徳太郎(東京堂出版)1984年(昭和59)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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