とよだ 時・山岳ゆ-もぁ画
山旅漫歩゚【ひとり画通信】

▼106号 「滋賀県・伊吹山頂日本武尊像」

【概略】
日本神話の日本武尊は、東北を平定したあと、近江の伊吹山に悪神
がいると聞き、退治に出かけます。しかし山の神の化身の大蛇の毒
気にあたり、能褒で息絶えたという。それにちなんで建てられたか
伊吹山頂の像は4等身というユニークなかわいい像だ。
・滋賀県伊吹町と岐阜県春日村との境

▼106号 「滋賀県・伊吹山頂日本武尊像」

日本神話に出てくる日本武尊(やまとたけるのみこと)は、倭武命
とも書き、第12代景行天皇(けいこうてんのう)の第3皇子。英雄
伝説の主人公として「古事記」・「日本書紀」などに書かれています。

幼名を小碓命(おうすのみこと)、倭男具那王(やまとおぐなおう)
といい、兄の大碓命(おおうすのみこと)の手足を引き裂いてしま
います。その勇猛な性格を恐れた天皇は皇子を九州の賊平定に派遣
します。

熊襲(くまそ)の首をはね出雲の出雲建(いずもたける)も討った
とたんに今度は、東国十二道の荒ぶる神や蝦夷(えみし)たちを征
伐せよとの命令。

こんな「東奔西走」の毎日でも行った先々で7人の女性を妻とし、
7人の子をもうけます。東北を平定した武尊は尾張(愛知県)へ戻
りましたが、近江(滋賀県)の伊吹山(1377m)に悪神がいると聞
き、退治に出かけます。

その時、油断したかあの草薙剣(くさなぎのつるぎ)を妻の美夜受
比売(みやずひめ)にあずけてしまったのが命とり。たちまち山の
神の化身の大蛇の毒気にあたりひん死の状態。

能褒(のぼの)「鈴鹿市」で息絶えたと伝えます。伊吹山頂に建て
られているタケルの石像は四等身というユニークさです。

ある年の8月、各駅停車ならどこまでも行けるという「青春18切符」
を使い、東京駅を前夜出発、日帰り登山を試みました。近江長岡駅
ですぐタクシーに乗り3合目へ。

景色や高山植物など目にとめる余裕もなくひたすら登りに登りま
す。五合目・八合目を過ぎて山頂に近づくにつれ、大勢の女性のス
カート姿や乗用車・観光バスまで目に入ってきます。

土産物屋がならびガンガン音楽が流れていてうるさい。そんな喧噪
に背を向けて石像を探します。あった、あった。日本武尊像はコン
クリの柱に囲まれてユニークな姿で立っています。

四等身の姿も表情も気に入りました。早速スケッチをし、写真を撮
り大きさを計ります。日本武尊像は、次々に訪れる大勢の家族連れ
の記念写真にいやな顔もせずつき合ってくれていました。

▼【データ】
【山名】伊吹山・息吹山・伊夫岐山・夷服山・胆吹山・五十葺山・
伊富貴山・伊服岐山。とも書く。伊吹は「息吹く」と同義語だとす
ると、生き返る「再生の山」となる。その他「鉄を生産する山」、「麻
の山」、「アイヌ語」など語源説はさまざま。「日本山岳ルーツ大辞
典」。イフキの発音に山気や霊気を吐き息づく「息吹き」の意味。
強風を神の息吹とみた。

【所在地】
・滋賀県米原市(旧坂田郡伊吹町)と岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧揖
斐郡春日村)との境。東海道本線近江長岡駅の北東7キロ。JR東
海道本線関ヶ原駅からバスで伊吹山頂。一等三角点がある。地形図
に山名と三角点の標高の記載あり。

【位置】
・三角点:(1377.3m、一等三角点)(北緯35度25分04.2秒、東経13
6度24分22.8秒)。(電子国土ポータルWebシステムから検索)

【三角点の位置】
・基準点:(基準点コード:TR15336039201)(点名:伊吹山)(冠字
選点番号:−)(種別等級:一等三角点)(成果状態:正常)(測地
系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°25′04.2087、経度 136°2
4′22.8457)(標高:1377.31m)(現況状態:正常 20050604)(所
在地:滋賀県米原市大字上野字伊吹山1855番地 俗称 道上)(点
の記図:閲覧可)。(国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」から
検索)

【点の記】
・(選点:明治17年−月−日 選点者:三原昌)(造標:−年−月−
日 造標者:−)(埋標:昭和59年6月19日 埋標者:児玉信之)(観
測:平成11年8月12日 観測者:佐々木健二)

【地図】伊吹山山行
・2万5千分の1地形図「関ヶ原(岐阜)」or「美束(岐阜)」(2図
葉名と重なる)。5万分の1地形図「岐阜−長浜」(電子国土ポータ
ルWebシステム・基準点成果等閲覧サービス)

【山行】
・第2日:1988年(昭和63)8月28日(くもり)探訪:1988年(昭
和63)8月27日夜行、28日「東京駅・大垣駅・近江長岡駅・伊吹山
3合目・山頂・3合目・近江長岡駅」:東京野歩路会

【参考】
・「日本架空伝説人名事典」大隅和雄ほか(平凡社)1992年(平成4)
・「日本伝奇伝説大事典」乾克己ほか編(角川書店)1990年(平成2)
・「日本神話伝説総覧・歴史読本特別増刊」(新人物往来社)1992年
(平成4)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

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