とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼101号 北ア・穂高ザイテングラード

ある夏休み、子どもと1週間のテント生活。横尾にテントを張り奧
穂高岳へ。帰り、ザイテングラードの下りで右ひざが痛みだす。若
いろ痛めていたの再発したらしい。その後も時々出る痛み。最近は
一生の友だちとしてだましだましの歩き方をしてそれなりの山歩き
を楽しんでいる。

▼101号 「北ア・穂高ザイテングラード」

北アルプス穂高連峰の涸沢カールは連休や夏場はテントの村ができ
るところとして時々、テレビや新聞にも取り上げられます。かなり
以前のある夏休み、子どもたちに1週間のテント生活を体験させよ
うと出かけました。

上高地から3時間あまり歩いたところにある横尾にテントを張り、
サブザックで奧穂高岳(3190m)へ向かいました。山頂にある祠を
スケッチした帰り、ザイテングラート(涸沢のカールのなかにある
突起した岩石。その岩場の尾根を越えるルート。標高差300m以上
ある)の下りで右ひざが青筋がち痛みだします。

若いころ、重い荷を背負っての急坂を駆け下りて少し痛めていたの
を、先日の重荷でさらに負担をかけたのか。子供たちはもうかなた
の涸沢カールの底に下るのが見えます。道でもまちがえたら大変と、
歯をくいしばり駆け降りたのが悪かったようです。

次の日は槍ヶ岳往復、さらに翌日の蝶ヶ岳往復と難儀です。最後の
日、上高地の小梨平のロッジの風呂に入り、下りの、とくに右足の
つき方に問題があるなどと考えながら、ひざをさすります。

その後も無理をすると出てくるひざの痛み。最近は一生の友だちと
して痛みの出ないよう、だましだましの歩き方をおぼえ、それなり
の山歩きを楽しんでいます。

ちなみにザイテングラートとは、ドイツ語で側稜という意味だとい
う。『山の用語なんでも事典』によれば、ザイテンとは側面、グラ
ードは稜という意味を持つという。英語では岩稜のことをリッジ、
フランス語ではアレートというそうです。

しかし最近ではザイテングラートの呼び方はほとんどされず、ふつ
うは英語のリッジが使われているようです。ここ穂高涸沢にある登
山道としてのザイテングラートはいまは固有名詞になっているそう
です。

▼【データ】
【所在地】
・長野県松本市安曇(旧南安曇郡安曇村)。長野電鉄新島々駅から
バス・上高地から歩いて6時間30分で涸沢ヒュッテ。標高点(2309
m・標石はない)がある。地形図に標高点の標高と涸沢ヒュッテの
記載あり。

【位置】
・写真測量による標高点(2309m)。・緯度経度:北緯36度17分38.1
4秒、東経137度39分48.16秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシ
ステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「穂高岳(高山)」(国土地理院「地図閲覧
サービス」から検索)。5万分の1地形図「−」(「電子国土ポータ
ルWebシステム」から検索)

【山行】「北アルプス穂高連峰
・第5日:1983年(昭和57)8月12日(木)穂高ザイテングラード
探訪:1983年(昭和57)8月8日〜16日(日〜月)「新宿駅・松本
駅・新島々駅・上高地・横尾(泊)・北穂高岳(泊)・槍ヶ岳・奥穂
高岳・蝶ヶ岳・上高地・新島々駅・松本駅・高尾駅」:」ファミリ
ーテント山行

【話題】
・ザイテングラードとは、本来は側稜という意味のドイツ語だそう
です。いまは普通、英語の岩稜という意味のリッジを使っているよ
うです。ここ穂高涸沢のザイテングラードは固有名詞になっていま
す。

・涸沢カール:わが国最大スケールのカール(圏谷)で圏谷底は標
高2300m付近とされています。涸沢ヒュッテのある小丘は圏谷底
付近に形成された堆石堤(モレーン)で、丸山モレーンと呼ばれて
いるそうです。

【参考】
・「角川日本地名大辞典20・長野県」市川健夫ほか編(角川書店)1
990年(平成2)
・「山の用語なんでも事典」(山と渓谷社)1984年(昭和59)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

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