山の伝承伝説に遊ぶ
山旅通信
【ひとり画ってん】とよだ 時

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▼030号「房総・安房高山の飛行物体」

大みそか房総を縦走。テントのなか年越しそばでイッパイ。遠くで
野猿のなき声。満天の星のなかユラユラと近づいてくる物体。あの
動きは!しめたッ、もしかしたら…。寝ている家族を起こします。
すると、あぁ…赤い光が点滅しはじめ爆音…。物体は成田へ真っ直
ぐ向かいました
・千葉県鴨川市

▼030号「房総・安房高山の飛行物体」

日本で一番早く初日の出を見るには…。房総の一番東の、それも山
の上から見ればいい…と内房から外房へ縦走するため、大みそかテ
ントを背負って出かけてみました。

道に迷いイバラに引っかかれ、やぶ山をを進みます。山の上でテン
トを張り、年越しそばを食い、イッパイやります。「ホエッ、ホエ
ッ」遠くで野猿のなき声がします。

ほかは木枯らしに舞う枯れ葉の音ばかり。外に出て空を見上げます。
星にまじってユラユラとこっちに近づいて来る明るい物体。あの動
きは!しめたッ、UFO見て初日の出が見られれば、こんないい年
はありません。

寝ている家族をたたき起こします。もっと近づけ、もっと近づけ。
すると、あぁ…赤い光が点滅しはじめ爆音が聞こえはじめました。
チェッ。成田へ着く前に落っこちてしまえッ。

後日談。再び訪れて驚きました。テントを張った場所は崩壊でかす
かな踏み跡だけ。あの翌日野猿と出逢ったところは林道になり安房
高山の山肌にセメントが吹きつけられ真新しい三叉路ができていま
す。あの猿の群れはどこへいったのでしょうか。

▼【データ】
【山名・地名】・安房高山(あわたかやま・あわんたやま)

【所在地】
・千葉県鴨川市。JR外房線安房鴨川駅から日東バス金束行き、釜
沼下車、2時間で安房高山。二等三角点(364.9m)がある。地形
図に山名の記載なし。三角点の標高の記載あり。

【位置】
・三角点:北緯35度9分27.13秒、東経140度1分12.74秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「鴨川(大多喜)」

【参考】
・『房総の山』(千葉県山岳連盟)1977年(昭和52)
・『新日本山岳誌』日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)

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山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅通信【ひとり画展】
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