とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼017号「奥多摩・稲村山の神さま」

日原西方、鷹ノ巣山への途中の稲村岩はよく目立つ岩山。登山道を
分けへずるようにまいて登っていくと、稲村山神社の祠に出会いま
す。この神社は農耕神だという。岩が突っ立ったような形が稲ワラを束
ねたようなので、昔はここをイナグラ(稲座)と呼んでいたといい
ます。

▼017号「奥多摩・稲村山の神さま」

山を歩いていると胃腸の働きが活発になるのかお腹が張って困る
ことがあります。東京奥多摩・日原西方、鷹ノ巣山へ向かう途中
にそそり立つ稲村岩は車道を歩いていてもよく目立つ岩山です。

鷹巣山への道を右に分け岩山をへずるようにまいて登っていくと、
稲村山神社の祠がふたつならんでいます。この神社は農耕神だと
いいます。岩が突っ立ったような形が稲ワラを束ねたようなので、
昔はここをイナブラ(イナグラ・稲座)と呼んでいたといいます。

7月のある暑い日、鷹ノ巣山を目指す途中、道の分岐にザックを
置いて、稲村山神社に立ち寄りスケッチしました。さあ、帰ろう
と立ち上がったとたん、思わずシツレイを。

先ほどからお腹の調子が具合が悪いのが気にかかっていました。
あわててサイ銭をあげて逃げるように退散しました。

その名も稲村岩尾根を登り、ヒルメシグイノタワも過ぎて鷹ノ巣
山のお花畑。鷹ノ巣山は、北側の日原側では鷹ノ巣山と呼び、奥
多摩湖側では入奥山と呼んだという。

かつては小田原北条氏や、徳川家の鷹狩り用の鷹やその巣を保護す
る場所であり、幼鳥を育成し幕府へ献上したという。そんなところ
からついた名前が鷹ノ巣山。

この山頂をすぎるあたりからおかしくなった雲行きは、とうとう
怒りくるう大雷になってしまいました。将門馬場あたりでは、ガ
ラガラガラッとなる怒り狂う雷鳴、篠突く土砂降り。この雨の中
ひたすら先へ進みます。三ノ木戸山の樹林帯に逃げ込み、ほうほ
うのていで逃げ帰りました。神サマほんとうにゴメンナサイ。

▼【データ】
【山名】稲村岩。稲を積んだようなので。もとはイナブラと呼ばれ
た。農耕神稲村山神社

【所在地】
・東京都西多摩郡奥多摩町。JR青梅線奥多摩町駅からバス、東日
原停留所下車 歩いて1時間で稲村岩(標高不明)。地形図に稲村
岩の文字のみ記載あり。

【位置】
・稲村山神社:北緯35度50分30.15秒、東経139度1分58.71秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「武蔵日原(東京)」

【山行】鷹ノ巣山
・1981年(昭和56)7月19日(日)「立川・奥多摩駅・中日原・鷹
ノ巣分岐・稲村岩・鷹ノ巣山・将門馬場下・六ツ石山の肩・羽黒神
社・奥多摩駅」:ファミリー山行

【参考文献】
・「奥多摩風土記」大館勇吉著(武蔵野郷土史研究会)1975年(昭
和50)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】(とよ田とき男)

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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