とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼014号「房総・鋸山系水仙ピーク」

千葉県内房線、かつて鋸山の石切場から山頂に登り、さらに東に続
く郡界尾根を縦走して5時間あまり、南斜面いちめんスイセンが咲
き乱れているピークへの縦走路がありました。
当時、地元の山ヤたちに「水仙ピーク」と名づけられ、親しまれて
いる所です。その後、途中の砂利採り工場が尾根を削ってしまい通
れなくなってしまいました。
あれからン!十年。いまでは水仙ピーク南麓の駐車場から3,40分
での道を利用するコース。里山ブームに乗って県外から登山服姿の
人たちがマイカーで大勢訪れています。

▼014号「房総・鋸山系水仙ピーク」

【本文】
東京湾を一望する鋸山展望台から続く尾根縦走コース(群界尾根)
を5時間あまり、三角点のある「ピーク315」の手前に、南斜面い
ちめんスイセンが群生し、咲き乱れているピークがあります。

1月初旬がちょうど見ごろで、地元の山ヤたちに、「水仙ピーク」
と親しまれている所。

その昔、花園天皇(鎌倉時代後期)に愛されていた姫が、台頭する
武士から逃れるため、京都から船出。しかし、黒潮にのってしまい、
はるばる房州・和田浦に流れついてしまいました。

そのとき姫が持ってきたスイセンを村人に分け与えたものが県内に
広がり、有名な房州のスイセンなったという。

内房鋸山付近、保田地区に特に多く、江戸中期からこれをとって売
っていたという記録がありますが、いまは農家が出荷用に植え付け
ています。

水仙ピークのそばには富士嶽神社の石碑が鎮座まします。富士山を
信仰する富士講の講中が建立したもので、「山」のマークの下に「水」
の文字があります。

これはたくさんある富士講中それぞれ持っているマークだといいま
す。今でも地元の人たちがお参りに来るのか花が供えられています。

・【後日談】
それから30数年過ぎた先だって、縦走をせず山仲間のクルマに便
乗させて貰い、最短距離をスイセンの咲くピークまで行ってみました。

なんと!直下までクルマが入り奥に駐車場があります。スイセンピ
ークまで3、40分。それでも県外から登山姿の人たちがマイカーで
大勢訪れています。

スイセンピークの先の「ピーク315」(三等三角点315.6m、三角点
名嵯峨山)にはリッパな嵯峨山の標識が建っています。

かつてはここから鋸山まで細々としたふみあとをたどったっけ。と
ころがいまはだれも通らないのか荒れ放題。

ただ「山のおたく族」がかすかに歩いているらしく古びたテープが
風になびいているのが救いでした。

★水仙ピーク、嵯峨山【データ】
【所在地】
・千葉県安房郡鋸南町。JR浜金谷駅から鋸山東尾根つたいに歩い
て5時間で水仙ピーク。富士講の石碑がある。地形図に記載なし。

水仙ピーク【位置】
・水仙ピーク:北緯35度09分25.06秒、東経139度52分57.8秒

嵯峨山【位置】
・三角点:北緯35度09分26.56秒、東経139度53分0.75秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「金束(横須賀)」

【山行】
・日帰り:1980(昭和55)年2月17日(日):JR内房線浜金谷
駅・鋸山東尾根・ピーク329(一等三角点)・切通し・高圧線鉄塔
・水仙ピーク・嵯峨山(ピーク315)・下貫沢・小保田・バス・保
田駅:ファミリー山行

【参考】
・「房総の伝説」平野馨著(第一法規刊)1976年(昭和51)
・「房総の山」(千葉県山岳連盟)1977年(昭和52)

山と田園の画文ライター
ゆ-もぁイラスト・漫画家
【とよだ 時】

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