【全国の山・天狗のはなし】
▼30:長野県の山
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▼04:木曽御嶽三ノ池・アルマヤ坊 【略文】 |
▼04:木曽御嶽三ノ池・アルマヤ坊 【本文】 中央アルプス・木曽御嶽山(3067m・長野県)は山頂付近から一ノ 池・二ノ池・三ノ池・四の池・五ノ池と池が五つあります。その中 の三ノ池の水は、延命や病気の治癒に効果ありとされ、登山者が飲 めるように池のそばにはひしゃくがたくさん置いてあります。 いまでも持参した水筒に水を汲んで持ち帰る人が多いという。突然 ですがこの山には小天狗・木の葉天狗などたくさんの天狗が棲むと されています。 それらを取り仕切るのが首長の六尺坊(ろくしゃくぼう)をはじめ、 アルマヤ坊、刀利天坊(とうりてんぼう)、大頭羅坊(おおずらぼ う)と呼ばれる大天狗たちだとのこと。 9月のある日、その大天狗を訪ねて登りました。田の原から入り、 王滝頂上、剣ヶ峰から継母岳、摩利支天山、飛騨頂上、継子岳。 池も一ノ池から全部まわりました。今夜のねぐらは三ノ池の避難 小屋。今夜のねぐらは三ノ池の避難小屋。ここはアルマヤ坊のす み家阿留摩耶天(あるまやてん)の直下です。 日没も過ぎ、小屋の中の土間にテントを張って、アルコールをチビ リチビリとやりながらひとり天狗の出現を待ちます。昼間三ノ池の 水を飲みすぎたか少々下痢ぎみ。 これも天狗のなせる怪異のひとつか。突然何かの気配。テントから 顔を出してみれば、雨戸のない避難小屋の入り口にひとりの登山者。 名古屋からきた旅館の若旦那とかで、ラジオをガンガン鳴らしてい ます。おまけに暗闇が怖いのか、一晩中ランタンをつけやがった。 ああ……。 ▼【データ】 【地名】・一ノ池から五ノ池まである。 【所在地】 ・長野県木曽郡木曽町(旧木曽郡開田村)。JR中央本線木曽福島 駅からバス2時間で田の原終点、さらに歩いて4時間40分で三ノ池。 ・池のほとりに避難小屋がある。ろうそくたてや池の水を汲むひし ゃくなどがある。 ・地形図に池名のみ記載あり。三ノ池より北方向500mに四の池が ある。三ノ池より北西方向350mに飛騨頂上がある。三ノ池より西 方向550mに摩利支天がある。 【位置】 ・三ノ池:北緯35度54分26秒,東経137度29分11秒 【地図】 ・2万5千分の1地形図「御嶽山(飯田)」 ▼【参考文献】 ・手『図聚天狗列伝・東日本編』知切光歳(三樹書房)1977年(昭和5 2) ・『天狗の研究』知切光歳(大陸書房)1975年(昭和50) |
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【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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(主に画文著作で活動)
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山のはがき画の会