『新・丹沢山ものがたり』CD本(加筆版)
第14章「大棚−鉄砲木ノ頭」

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▼03:切通峠

【略文】
山中湖と富士山を望む絶好地切通峠。その東側・切通沢の源頭にテ
ントを張った。夜、動物が水を求めてやってきてまわりを徘徊する。
そのうちひときわ鼻息の荒い動物が近づいてきた。しばらく様子を
見ていたが無害だと思ったのか、やはり鼻息をたてながら去ってい
った。あれは一体何なんだ。
・神奈川県山北町と山梨県山中湖村との境

▼04:切通峠

【本文】
西丹沢の切通峠は山梨・神奈川の両県境の稜線にあり、山中湖と富
士山を望む絶好地です。かつては相模・甲斐・駿河の三国で入会権
の争いがあった所。


特に平野地区と神奈川県世附地区の争いは激しかったという。峠の
東側・切通沢の源頭は小平地で、先年、仲間で野宿したところ。乱
舞するホタルが見事でした。


数年後、もの好きにも身延線の市川大門駅から四尾連湖・御坂山塊
を縦走し、御正体山・山伏峠を越えてひとりでやってきました。大
きな富士山と山中湖、それにタニウツギの満開の花が迎えてくれま
した。きょうで5日目、切通沢に泊まろうと立ち寄りました。


先年と違い小平地付近には沢の流れがありません。ことしはお天気
続きで、沢の水も不足勝ちなのでしょうか。下流にかなり歩いたと
ころにかろうじてチョロチョロと流れています。ありがたいとポリ
タンクにくんでテントを張ります。


夕闇がせまると物音もしなくなり一段と静かになります。夜が更け
るころ、いろいろな動物が水を求めてやってきてテントのまわりを
徘徊します。いつものことです。


そのうちひときわ鼻息の荒い動物が近づいてきました。見慣れない
ものを見て興奮したのでしょうか。悪かったよ、一晩だけ頼むよ。
近づくとピタリと鼻息を止めました。


しばらく様子を見ていたようでしたが無害だと思ったのか、やがて
テント近くから離れ、また鼻息をたてながら去っていきました。あ
れは一体何だったのでしょう。たぶんイノシシなのででしょうね。



▼【データ】
【所在地】
・神奈川県足柄上郡山北町と山梨県南都留郡山中湖村との境。富士
急富士吉田駅からバス、平野下車、歩いて45分で切通峠さらに10分
で切通沢源頭。付近に何もなし。地形図上に地名など何も記載なし
(林道も記載なし)。沢源頭より西方向直線約640mに切通峠がある。
【位置】
・切通峠:北緯35度25分23.03秒、東経138度55分48.57秒
・切通沢:北緯35度25分29.25秒、東経138度56分13.25秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「御正体山(甲府)」

 

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【とよだ 時】 山の画文著作
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【ゆ-もぁ-と】制作処
山のはがき画の会

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