『新・丹沢山ものがたり』CD本(加筆版)
第12章「大笄・小笄−加入道山」

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▼08丹沢で一番高い峠・馬場峠

【略文】
丹沢で一番標高の高い馬場峠は、かつて神奈川県側箒沢集落と山梨
県道志村との交流の道。その昔、奥州平泉の藤原秀衡の家臣・鰐口
伊賀守が藤原氏没落後安住の地を求め、甲州路からここを越えて箒
沢に身を寄せ隠れ住んだという伝説がある。
・神奈川県山北町と山梨県道志村との境

▼08丹沢で一番高い峠・馬場峠

【本文】
 西丹沢・神奈川県と山梨県境になっている尾根上に加入道山が
あります。そこからわずか東に下ったところが馬場峠(1380m)。
丹沢の中で一番標高の高い峠だという。


 ここはかつて神奈川県中川川の箒沢集落と山梨県道志村との交
流の道。箒沢では道志村馬場集落へ越える峠なので馬場峠と呼ん
だという。一方、馬場集落では、白石沢のザレノ沢に越えたので
ザレ峠といっていたそうです。


 その昔、源義経をかくまったことで知られる奥州平泉の藤原秀
衡の家臣・鰐口伊賀守が藤原氏没落後安住の地を求めて、甲州路
からこの峠を越えて箒沢に身を寄せ隠れ住んだことがあったそう
です。


 道志村は平地の少ないところ。村人にとってみれば、より広い
箒沢集落はあこがれの土地です。若い女性も好んで嫁入りしたそ
うです。


 馬場峠からは道志側には道が延びていますが、神奈川県側はザ
レノ沢が荒々しくガレてしまっていて、いまはどこが峠道かはっ
きりしていません。


 この峠でいちばん印象に残るのは、山と渓谷社さんから丹沢の
本を出させていただくにあたり、東丹沢・仏果山から不老山まで
ほぼ全山縦走したときのことでした。


 全行程雪の中、塔ノ岳以降人に会っていません。峠付近で突然
大きな犬が3頭現れました。思わず立ち止まります。しばらくし
て猟犬と分かりましたが、ハンターは無言のまま雪道を道志側へ
消えていきました。ただ意味もなく道標をなで回しました。



▼丹沢馬場峠【データ】
【所在地】
・神奈川県山北町と山梨県道志村との境。新松田駅からバス、西丹
沢バス停から白石峠経由3時間半で馬場峠。
【位置】
・馬場峠:北緯35度30分37.86秒、東経139度03分05.52秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「大室山(東京)」



▼【参考文献】
・『かながわの峠」植木知司(神奈川新聞社)1998年(平成10)

 

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