『新・丹沢山ものがたり』CD本(加筆版)
第2章「ヤビツ峠とその周辺」

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▼04:護摩屋敷橋の名水

神奈川県丹沢でおなじみのヤビツ峠。バスの終点の峠から車道を北
西に進むと、富士見橋先に全国名水百選に指定された「湧水丹沢の
水」があります。

そばを宮ヶ瀬−秦野間の道路が走っていることもあって、休日など
はドライブに来た家族連れが、水筒やポリタンクを持って水をつめ
るのに行列する姿が見られます。飲食店主なども遠くからわざわざ
水を汲みに来ています。

ここは「護摩屋敷橋」というところ。付近に護摩屋敷跡があり、そ
の名前のように昔、八菅山修験院浄実院の山伏たちが身を清め、護
摩をたいて修行したところだいいます。


この水は近くの富士見山荘の先代石田海蔵という人が開発したもの
を、いまは「丹沢の水を守る会」によって管理されているそうです。


丹沢の山地と、渋沢丘陵にはさまれた秦野盆地は丹沢から流れ出し
た土砂が埋まり、砂礫層が厚くなっていて、降った雨の大半が地下
水になり、ミネラル分をたくさん含んだ湧き水になってあちこちか
ら湧出しています。


これらの水は1985年(昭和60)、環境庁の調査検討会が判定する「全
国名水百選」に選定され、地酒やミネラルウォーターに利用されて
います。


▼護摩屋敷【データ】
【所在地】
・神奈川県秦野市。小田急秦野駅からバス、ヤビツ峠、歩いて30分で護
摩屋敷の名水。そのほか付近に何もなし。地形図上には地名のみ記
載。護摩屋敷の名水より南方向直線約110mに富士見山荘がある。

【位置】
・護摩屋敷:北緯35度25分54.63秒、東経139度12分32.72秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「大山(東京)」

▼04:護摩屋敷橋の名水(終わり)

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