『新・丹沢山ものがたり』CD本(加筆版)
第2章「ヤビツ峠とその周辺」

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▼03:蓑毛の疫病神

【略文】

神は神でも疫病神は人々から恐れられる。逆に祭りあげておとなし

くしてもらおうともする。丹沢の登山口蓑毛の近くにも厄病大権現

の立派な社がある。格子の間からなかを写真に撮る。現像してみた

ら一枚も写っていない。まさかとりつかれたか。風呂で体をゴシゴ

シ洗った。

・神奈川県秦野市

▼03:蓑毛の疫病神

【本文】

神は神でも福の神と違い、貧乏神や疫病神とのお付き合いはごめん

です。なかでも疫病神は災厄病疫をもたらす悪神。天然痘や日本脳

炎などの伝染病は厄(疫)病神の仕業と考えられ、人々から嫌われ、

また恐れられました。



一方、逆にこの厄病神を暴れられないように丁重に祭りあげちゃお

う…という考え方も出てきます。畏怖の念から祭り慰め、おとなし

くしてくれるよう祈願しようというわけです。



またいったん病気が流行すると祭礼を行い、お囃子もにぎやかに厄

神を送り出す疫病送りの行事もあります。ここ丹沢の登山口蓑毛の

近くにも厄病大権現なる立派な社が祭られています。



小蓑毛集落鹿島神社境内にあり、格子越しに覗いてみると薄暗い社

のなかに年代物の祠にサカキやご弊が供えられ、いかにも封じ込め

た感じです。



格子の間からなかを写真に撮ります。犬の散歩の通りがかる人がけ

げんな顔をして見ています。あとで現像してみたら撮った写真が一

枚も写っていません。



まさか厄病神にとりつかれたのではと風呂に入り体中ごしごし洗い

ました。



▼【データ】

【所在地】

・神奈川県秦野市小蓑毛鹿島神社境内。小田急秦野駅からバス、小

蓑毛下車6分で鹿島神社境内厄病大権現



【位置】

・緯度経度:北緯35度24分20.01秒、東経139度14分0.4秒



【地図】

・2万5千分の1地形図「秦野(東京)」



▼【参考】

・「宿なし百神」川口謙二著(東京美術刊)1979年(昭和54)

 

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