『新・山の神々いらすと紀行』
画と文・とよだ 時

第7章 南アルプスの山々

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■08:荒川五山?

【略文】
南アルプスに荒川三山がある。さらに塩見岳の北側にも北荒川岳が
ある。その上、塩見岳も昔は荒川岳と呼ばれていた。それでは同じ
山域に荒川岳が五山があることになりどうも具合が悪い。そこで、
真ん中の荒川岳(塩見岳)を古くからふもとの村で使われていた塩
見岳の名に統一したという。
・長野県伊那市と静岡県静岡市との境

■08:荒川五山?


【本文】

南アルプスの荒川三山(前岳・中岳・東岳)は有名ですが、そこか

ら北方に離れた塩見岳の北側にも北荒川岳があります。それでは荒

川四山か?



いやいや塩見岳も昔は荒川岳と呼ばれていたというから、なおこん

がらかってきます。その名は塩見岳の北側から突き上げる川の名か

らきているという。



長野県側天竜川に流れ込む三峰川。その支流が荒川で、さらに南荒

川、北荒川に分かれます。南荒川の源頭にある山が塩見岳。そして

北荒川が突き上げる山が北荒川岳。



しかし、同じ山域に荒川岳が五山あったのではどうも具合が悪い。

また一方、塩見岳を間ノ岳と呼ぶ所があり、これも白根三山に間ノ

岳があってまぎらわしい。



そこでいまのように、塩見岳である荒川岳を古くからふもとの村で

使われていた「塩見岳」にするべく名前を統一したという。



大正初めのことだったそうです。それにしても北荒川岳は北の隅に

ぽつんと一山、寂しそうではあります。



▼北荒川岳【データ】
【所在地】
・長野県伊那市長谷(旧上伊那郡長谷村)と静岡県静岡市との境。
飯田線駒ヶ根駅の南東28キロ。中央本線甲府駅から広河原バス停
留所スーパー林道リムジンバス乗り換え北沢峠下車、仙丈ヶ岳・仙
塩尾根・安倍荒倉岳から4時間で北荒川岳。三等三角点(2697.6m)
がある。地形図に山名と標高のみ記載。
【位置】
・三角点:北緯35度35分40.9秒、東経138度11分40.33秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「間ノ岳(甲府)」



▼【参考文献】
・『信州山岳百科・2』(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・『角川日本地名大辞典20・長野県』市川健夫ほか編(角川書店)
1990年(平成2)
・『角川日本地名大辞典22・静岡県』小和田哲男ほか編(角川書店)
1982年(昭和57)

 

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