『新・山の神々いらすと紀行』
画と文・とよだ 時

第7章 南アルプスの山々

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■03:間ノ岳の鬼面の雪形

【略文】
「山の紋章・雪形」によれば、間ノ岳の長野県に向いた側に鬼の顔
の雪形が出るという。長野県宮田村から見ると前山が落ち込んで切
れたあたりに見えるという。望めるのはここだけで、雪形は鬼の面
といっても親しみを感じる柔和な表情だと、同書著者の田淵行男氏
は好意的だ。
・山梨県早川町と芦安村、静岡市との境

■03:間ノ岳の鬼面の雪形


【本文】

春、暖かくなると山の斜面に雪が溶けていろいろな形ができます。

かつて暦が不正確な時代、その雪形はふもとにとって季節の移り変

わりが分かる大事な目印でした。



村人は雪形を見て農作業をはじめる目安したという。南アルプスの

農鳥岳の鳥の雪形も重要な目印だったといいます。



しかし、江戸時代の地誌「甲斐国志」には農鳥岳とは別に、となり

の間ノ岳にも農作業の目安になった鳥の雪形が出るとあります。



「山の紋章・雪形」によれば、反対側長野県に向いた側にも鬼の顔

の雪形が出るという。これは雪渓が融けて残った雪が鬼面になるも

の。



長野県宮田村から見ると前山が落ち込んで切れたあたりに見えると

いうのです。この雪形を望めるのはここだけなのだとのこと。



鬼の面といっても怖い顔ではなく親しみを感じる柔和な表情だと、

著者の田淵行男氏は好意的です。氏によれば雪形の出る場所は間ノ

岳の西に面したカールだという。



西の三峰岳とを結ぶ稜線北面のカールは、三峰岳から北へ伸びる仙

塩尾根上のピーク2699mが邪魔になると思われます。それなら遠

目には間ノ岳と1つの山に見える三峰岳の西面のことでしょうか。

各地にはいろいろな雪形があり、写真を眺めるだけでも楽しいもの

です。



▼間ノ岳【データ】
【所在地】
・山梨県南巨摩郡早川町と南アルプス市(旧中巨摩郡芦安村)、静

岡市との境。中央本線甲府駅の西31キロ。JR中央本線甲府駅か
らバス、広河原下車、さらに歩いて延べ10時間15分で間ノ岳。三
等三角点(3189.3m)がある。地形図に山名と三角点の標高のみ記
載。三角点より西方向直線約850mに三峰岳がある。
【位置】
・三角点:北緯35度38分45.61秒、東経138度13分41.95秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「間ノ岳(甲府)」



▼【参考】
・『山の紋章・雪形』田淵行男著(学習研究社)1981年(昭和56)

 

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